2015年5月号 [Vol.26 No.2] 通巻第294号 201505_294001
秋篠宮ご夫妻からも激励 CONTRAILプロジェクトが地球環境大賞特別賞を受賞
CONTRAILプロジェクトチーム(国立環境研究所、気象庁気象研究所、日本航空、ジャムコ、JAL財団)が、フジサンケイグループの主催する第24回地球環境大賞の特別賞を受賞しました。地球環境大賞は持続可能な社会の実現に寄与する技術・製品開発、環境保全活動・事業の促進、地球環境保全に対する意識の向上を目的とした活動を顕彰する制度です。CONTRAILプロジェクトは、民間航空機を使った温室効果ガスの広範囲にわたる3次元分布とその長期変動の観測が地球規模での炭素循環メカニズムの解明に欠かせないデータを提供するなど、この分野での研究を支えていることが評価されました。
授賞式は2015年4月9日に明治記念館にて秋篠宮ご夫妻のご臨席のもと行われ、CONTRAILプロジェクトを代表して日本航空の植木社長が賞状とトロフィーを受け取りました。国立環境研究所からも住理事長が出席し、プロジェクトを代表して秋篠宮ご夫妻との御懇談に立ち会いました。授賞式後のレセプションで、筆者は実務担当として秋篠宮殿下にプロジェクトの「生」の声を伝える役を仰せつかりました。筆者よりCONTRAILの大きな特徴として観測範囲が広いことを申し上げると、殿下から「JALは以前はブラジルにも飛んでいましたよね」との的確なコメントをいただきました。CONTRAILとしても南米での観測は将来の目標の一つです。

写真1授賞式でトロフィーを受け取る日本航空の植木社長(左)

写真2授賞式でのCONTRAILプロジェクトチーム。日本航空の植木社長が賞状を、国立環境研究所の住理事長がトロフィーを持っています
CONTRAILプロジェクトの目的は環境変動の解明に資する研究をすることですが、今回のように社会から評価をいただくことは研究者のみならずプロジェクト参画者にとって大きな励みになったと思っています。今回の受賞に感謝するとともに、あらためてプロジェクトチームのメンバーとサポートをしていただいている皆さんにお礼を申し上げます。
CONTRAILプロジェクトに関する過去の記事は以下からご覧いただけます。
- 町田敏暢「CONTRAILプロジェクトが始まって5年経ちました」2010年12月号
- 白井知子「成田上空の二酸化炭素濃度の短周期変動—民間航空機を利用した大気観測結果の解析—」2013年3月号
- 町田敏暢「長期観測を支える主人公—測器と観測法の紹介— [5] 旅客機でCO2を測る:民間航空機搭載型の自動CO2測定装置」2013年3月号
- 広兼克憲「『空飛ぶ実験室』コントレイルプロジェクト、環境大臣賞を受賞!」2013年9月号
- 地球環境研究センターニュース編集局「インタビュー『空飛ぶ実験室』が上空の二酸化炭素濃度観測を変える—CONTRAILプロジェクト—」2013年12月号
- 広兼克憲, 町田敏暢「CONTRAILプロジェクトがボーイング社のecoDemonstrator787フライトに参加!」2015年1月号