2015年5月号 [Vol.26 No.2] 通巻第294号 201505_294005

山を愛する人たちの集うイベント 全国「山の日」フォーラム参加報告

  • 地球環境研究センター 交流推進係

1. はじめに

8月11日が何の日か、皆様はご存知ですか?

実は来年から、この日は国民の祝日となるのです。そのことを記念し、周知する大規模なイベント「全国『山の日』フォーラム」が2015年3月28日(土)、29日(日)に東京有楽町の東京国際フォーラムで開催されました。

国立環境研究所地球環境研究センターにも、環境省自然環境局から参加要請があり、出展させていただきました。

2. 全国「山の日」フォーラム

東京国際フォーラムの展示会場には、色とりどりのアウトドアブランド、山岳地域の観光協会、「山ガール」をターゲットにした華やかなミニ講習会、環境省をはじめとする官公庁などいつものイベントとは違う出展者が集い、立ち寄る方々も本格的アルパインウェアを着た山登り好きの方が多かったように思います。来場者は2日間でおよそ18,000人とのことでした。

国立環境研究所は展示会場のほぼ中心、有名な「山と渓谷社」の隣にブースを構えました。その対面では携帯型トイレの展示を積極的に行っているメーカーの方が「これからは山を汚さないためにも、また災害時に備えるためにも、携帯トイレの使い方を勉強しておく必要があります」と訴えていました。

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写真1東京国際フォーラムロビーのほぼ中央に展示ブース(右)を構えました

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写真2向い側では登山時にも有効な携帯トイレのPRをするブースもありました

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図1多くの出展が行われた会場、当研究所はほぼその中央にブースをいただきました [クリックで拡大]

3. 6年間の立山室堂の定点撮影結果と富士山ライブオルソ立体プロジェクション

展示物のメインアイテムは、立山室堂山荘から6年以上にわたり一眼レフカメラで撮影してきた立山の定点連続写真です。おりしも3月14日に北陸新幹線が開通し、立山が注目の的となっていた時期でもあり、この展示には人気が集まりました。

立ち寄る方々の多くは既に立山に行ったことのある方、しかしさすがに毎日通った方はいません。こうして6年間の同じ季節の写真を並べて見た経験はなかったようです。

6年間では雪が多い年も少ない年もあって、地球温暖化の影響を含め、明確な傾向はみられませんが、長期に観測データを蓄積していく意義については十分に理解いただき、「こういう地道なデータの積み重ねが財産になりますね」と言ってくれた方もいました。

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写真3今回新しく作成した立山室堂からの写真を6年分並べたパネルです [クリックで拡大]

もう一つは富士山の周りにある複数のライブカメラの画像を合成し、富士山の模型に上から投射して、立体としてのリアルタイム富士山をお見せできるものです。

このような展示は他になく、大人から子どもまで、多くの方の関心を集めていました。準備時間が十分ではなかったため、富士山の模型がやや小さくなってしまいましたが、今後はもっと大きな富士山模型にプロジェクションマッピングできるように改良中です。

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写真4富士山模型へのプロジェクションマッピング

4. より多くの方にご関心を持っていただくために

今後8月11日の「山の日」には、これまで以上に山への関心が高まっていくことが期待できます。私たちはこれからも、地球温暖化の影響が出やすいとされる高山帯の生態系を注意深く観察し写真技術を駆使して記録していきます。その結果は折に触れ紹介していきたいと思いますが、皆様も山に関心をもっていただき、各地の山の様子の写真などのデータを広く共有していければと考えています。

センターのウェブサイトから、これらも含めた情報を発信しております。是非ご覧ください。 http://db.cger.nies.go.jp/gem/ja/mountain/

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