2015年5月号 [Vol.26 No.2] 通巻第294号 201505_294007

酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ17 低炭素社会(その2) —3R・低炭素社会検定より—

  • 地球環境研究センターニュース編集局

【連載】酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ 一覧ページへ

3R・低炭素社会検定は、持続可能な社会の実現のため、3Rや低炭素社会に関する知識を活かして、実践行動を行う人を育てることを目的としています。【3R・低炭素社会検定 低炭素社会分野試験問題解説集「はしがき」より】

検定試験問題から出題します。

問48日本の一般的な家庭(世帯)において排出削減対策を1年間実施したとき、最も効果が高いものはどれか? ただし、買い替えにおいては、使用の仕方は変わらないものとする。

上級レベル

正答率 59%

  • 夏季に室内の冷房設定温度を1°C上げてエアコンを使用した
  • 従来型の給湯機を高効率給湯機(CO2冷媒ヒートポンプ型)に買い替え、給湯用途に使用した
  • マイバックを使い、レジ袋をもらわないようにした
  • 10年前に高効率だった14インチブラウン管テレビを高効率の42インチ液晶テレビに買い替えた
ヒント
CO2排出量を削減する上で最も重要なことは、機器の買い替え時や新しく機器を購入する際に、できるだけ効率の良いもの選択することです。
答えと解説

答え: ②

家庭のCO2排出量の大部分は、照明・家電製品、自動車、暖房、給湯から排出されていることから、この分野での対策が効果的です。CO2排出量を削減する上で最も重要なことは、機器の買い替え時や新しく機器を購入する際に、できるだけ効率の良いもの選択することです。給湯はCO2排出量の14%を占めていることから、給湯機の買い替え時に高効率なものを選択することで、大幅にCO2を削減することができます。買い替え時に効率がよい技術の製品を選んでも、テレビ画面が大型化することでCO2排出量が増える場合があります。

問49ある家庭では、10年間使用していたエアコンを買い替えることを検討している。現在使用しているエアコンの年間消費電力量は1,000kWhであった。一方、買い替えを検討しているエアコンでは、年間消費電力量が700kWhになることが想定されている。このエアコンに買い替えることにより、1年間当たりのCO2排出量はどのようになるか。以下のうち最も近いものを選べ。ここで、電力由来のCO2排出係数は0.40kg-CO2/kWhとする。また、未使用時の待機電力は考慮しないものとする。

初級レベル

正答率 89%

  • 120kg-CO2の削減になる
  • 280kg-CO2の削減になる
  • 750kg-CO2の削減になる
  • 1,750kg-CO2の削減になる
ヒント
年間300kWhの節電になります。
答えと解説

答え: ①

エアコンの省エネ性能は、最新のデータでは、10年前と比べると約11%の省エネになっています(2002年型機関消費電力量947kWh、2012年型846kWh)。問題では、省エネ性能が向上したため、年間消費電力量が1000kWhから700kWhに減ると想定しています。したがって、年間300kWhの節電が出来ますので、300kWh × 0.40kg-CO2/kWh = 120kg-CO2の削減となります。

問50家庭の年間消費電力量に関して、最も不適切なものはどれか?

初級レベル

正答率 95%

  • 一般的にエアコンの消費電力は扇風機よりも大きい
  • テレビはサイズ(インチ)を変えると消費電力が変わる電気製品である
  • エアコンは年式やサイズにより消費電力が異なる電気製品である
  • 冷蔵庫は古い製品からの買い替えによる省エネ効果が小さい電気製品である
ヒント
冷蔵庫は1998年のトップランナー制度の導入以降、省エネ性能が大幅に改善しています。
答えと解説

答え: ④

冷蔵庫は、ヒートポンプ技術、断熱技術などが向上したため省エネ性能が大幅に改善しています。例えば、10年前の冷蔵庫と比べて約65%の省エネになっているとのデータがあります。そのため、古い製品からの買い替えによる省エネ効果は非常に大きく、買い替えによる経費も、以後の電気代が削減できることで、初期投資分を比較的短い時間で回収することができます。

  • *正答率は第5回3R・低炭素社会検定受験者のものです
  • 出典:3R・低炭素社会検定(http://www.3r-teitanso.jp)低炭素社会分野試験問題解説集

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