2011年11月号 [Vol.22 No.8] 通巻第252号 201111_252010

観測現場から—シベリア— VIP対応?

地球環境研究センター 大気・海洋モニタリング推進室 研究員 笹川基樹

2010年の南アフリカワールドカップで活躍した松井大輔選手が、一時期所属したサッカーチーム(トム・トムスク)のホームタウン、トムスク。その町のホテルでの早起きが(2:00AM)、今回の(2011/8/25)大気観測の初めの仕事でした。広大なシベリア内での移動に、4年で23万キロ走行したルノー車でロシア人研究者が迎えに来ます。今回の航空機観測は、シベリア最大の町ノボシビルスクを飛び立ち、温室効果ガス測定用にタイガ上空の大気サンプルを採取するものでした。今年からツポレフ(Tu-134)という50年以上昔の設計の元旅客機を使用することになり、飛び立つ場所も変更され、そこはいくつかの研究機関とロシア軍が共同で所有している飛行場でした。次世代戦闘機を開発している場所でもあるらしく、セキュリティーが非常に厳しく、私のような外国人が容易に入れる場所ではなく、直前まで私の搭乗許可交渉は難航していたようです。最終的には、その研究所の所長が私に付きそう(監視?)ことが条件で許可され、Tu-134に乗り込むまでに金属探知機も設置された3つのゲートをくぐりました…と書くと旧共産圏の空気を感じられる方もおられるでしょうが、実際は、ゆるい空気の中で手荷物のチェックはなく普通のおじさん(所長)が運転手をしてくれた、だけでした。ただ、ところどころ欠けたコンクリートの板を敷き詰めた滑走路からの、古い旅客機での離着陸は恐ロシアです(о д о)。

photo. オビ川

ノボシビルスクの町中を流れるオビ川

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