2011年11月号 [Vol.22 No.8] 通巻第252号 201111_252007

北海道釧路総合振興局・根室振興局主催「自然の番人による環境行動・学習事業2011」への協力について

地球環境研究センター 観測第一係

10月1〜2日、「自然の番人による環境行動・学習事業2011」が北海道釧路・根室地域で実施されました。釧路・根室地域では、住民の方自らが「自然の番人」として廃棄物の不法投棄やポイ捨てなどから貴重な自然環境を守り、次世代に引き継ぐことを目的に、各市町村による「自然の番人宣言」の調印がなされています。

本イベントは、北海道釧路総合振興局と根室振興局主催で「釧根の海岸線の秋を探ろう」をテーマに、体験型の環境行動や環境学習を通じて、地域の自然環境の豊かさ、環境保護の必要性についてより理解を深め、環境行動のいっそうの拡大を図ることを目的とした野外学習イベントで、地球環境研究センターのほか、浜中町、釧路短期大学、厚岸水鳥観察館、霧多布湿原センターおよびクリーンエナジーファクトリー株式会社の協力により実施されました。地球環境研究センターは、10月1日北海道厚岸郡厚岸町ネイパル厚岸で向井副研究センター長が講師として行った講演と、10月2日の北海道根室市にある国立環境研究所「地球環境モニタリングステーション—落石岬」の施設見学会を担当しました。

環境学習として「地球温暖化メカニズムの解明」のテーマで温室効果ガス(空気中の二酸化炭素等の温室効果ガスを含む大気微量成分)の観測状況、地球温暖化、地球温暖化による自然環境への影響等についてスクリーンに図表や動画を映しながら講演を行いました。講演のなかで、海水にBTB試薬を入れた小瓶に息を吹き込むと、海水の色が呼気中の二酸化炭素によりアルカリ性(青色)から酸性(黄色)に変わる酸性化の実験を数名の参加者に行ってもらい、説明しました。

photo. 向井副研究センター長 講演

ネイパル厚岸での向井副研究センター長 講演時の実験の様子

また、北海道根室市にある当地球環境研究センター落石岬ステーション施設見学会には、前日の講演会参加者の方々24名と学習会講師の方々、釧路・根室振興局職員の皆様に来所いただきました。落石岬までは貸し切りバスで行き、車止めの落石岬ゲートからはモニタリングステーションまでのおよそ2kmの道のりを歩きながら、途中自然観察会が開催され、ステーション施設の見学を2班に分けて行いました。

モニタリングステーションは、関係者以外の立ち入りができない施設で、通常見学することはできませんが、「自然の番人による環境行動・学習事業2011」の参加者のように、地元の方々の理解を得ることはとても大事なことだと考えており、施設見学会を開かせていただきました。施設では、地球温暖化に関わる空気中の温室効果ガスの測定を継続して行っており、本施設の概要、設備や観測・分析装置の説明、観測研究成果を、掲示したパネル・グラフ等を用いながら、わかりやすく説明しました。参加者は熱心に説明を聞いてくださり、施設内部の観測機器や鉄塔・太陽光パネル等の屋外の設備も興味深く見学をされていました。

photo. 地球環境モニタリングステーション—落石岬見学会

地球環境モニタリングステーション—落石岬見学会

国立環境研究所は、研究成果等の社会への還元を目的に、各種イベントへの協力・参加や情報発信を積極的に推進しています。沖縄県竹富町波照間島にも「地球環境モニタリングステーション—波照間」があり、落石岬のモニタリングステーションと同様に、温室効果ガスを含む大気微量成分の高精度・自動観測を行っています。

イベント開催情報と「自然の番人宣言との連携」について

ご意見、ご感想をお待ちしています。メール、またはFAXでお送りください。

地球環境研究センター ニュース編集局
www-cger(at)nies(dot)go(dot)jp
FAX: 029-858-2645

個人情報の取り扱いについては 国立環境研究所のプライバシーポリシー に従います。

TOP