2019年1月号 [Vol.29 No.10] 通巻第337号 201901_337008

【新刊図書・雑誌】 IntechOpen 「Fusion Study of Geography and Environmental Engineering」

  • 社会環境システム研究センター 地域環境影響評価研究室 主任研究員 一ノ瀬俊明

IntechOpenから自身の研究を振り返ってレビュー論文式に書き上げた単行本(教科書)の1章が出版されました。大学院修士課程レベル向けの内容です。

Fusion Study of Geography and Environmental Engineering

Ichinose, T. (2018): Fusion Study of Geography and Environmental Engineering. pp. 169–185: In Rocha, J. Eds. “Spatial Analysis, Modelling and Planning”, IntechOpen (ISBN 9781789842401)

https://www.intechopen.com/books/spatial-analysis-modelling-and-planning/fusion-study-of-geography-and-environmental-engineering

地理学と環境工学の融合研究

地理学と環境工学を融合した研究の事例として、地理情報システム(GIS)と気候モデルを用いた都市気候解析や都市エネルギー計画策定について、次の4つの知見を提示した。(1) GISを用いることにより、下水から温熱を回収して再利用するための地域熱供給施設の適地を合理的に選定することが可能となる。(2) 都市気候モデルの地表面境界条件に高時空間解像度の人間活動データ(エネルギー消費など)を反映させることにより、人間活動が都市気候に与える影響を精緻に評価することが可能となる。(3) 同様に、リモートセンシング(RS)データから抽出された高時空間解像度の緑被情報を用いることで、都市の緑地がもたらす居住空間の冷却効果を精緻に評価することが可能となる。(4) 同様に、都市における過去の土地利用や都市活動の時空間分布データが得られるのであれば、その時点での状況を評価することが可能となる。また将来予測についても同様であり、気候変化(緩和と適応)の視点からの持続可能な都市計画に貢献しうるアウトプットが提示される。

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