プロジェクト2地球温暖化に関わる地球規模リスクに関する研究
地球規模の温暖化対策目標については、平均気温上昇を2℃以下に抑えるべきといった提案が国際交渉等で議論されているものの、国際的な合意には至っておらず、国際社会が目指すべき目標とその根拠は明らかではありません。本プロジェクトでは、このような対策目標および目標に至る筋道・方法についての議論を、地球温暖化というリスクの管理に関する社会的な意思決定の問題として捉えます。この意思決定を支援するため、地球規模の温暖化リスク、関連する温暖化以外の地球規模リスク、およびリスク管理オプションについての検討を行い、リスク管理戦略の分析を行うことを目的とします。
本プロジェクトでは、研究所内外の気候予測・影響予測モデル研究の結果に基づき、現象理解と不確実性評価等の観点から将来予測を「翻訳」し、リスク情報を導く研究を行います(サブテーマ1)。また、気候と相互作用し人為活動を含む陸域諸要素に力点を置いた地球規模のモデル研究を行い、これらの要素が温暖化により受ける影響および温暖化対策にもたらす制約条件を詳細な地理分布を含めて統合的に分析します(サブテーマ2)。さらに、地球規模の温暖化影響の価値、適応策やジオエンジニアリングの費用対効果についての知見を整理します(サブテーマ3)。以上すべての研究結果を参照しつつ、地球規模のリスク管理方策を検討する研究を行います。
研究成果
本プロジェクトと連携した研究活動
- 環境省環境研究総合推進費 戦略的研究開発プロジェクトS-10「地球規模の気候変動リスク管理戦略の構築に関する総合的研究(ICA-RUS)」
- 環境省環境研究総合推進費S-5「地球温暖化に係る政策支援と普及啓発のための気候変動シナリオに関する総合的研究」
- 環境省環境研究総合推進費S-4「温暖化の危険な水準及び温室効果ガス安定化レベル検討のための温暖化影響の総合的評価に関する研究」
- 文部科学省「21世紀気候変動予測革新プログラム」(国立環境研究所のサイトを離れます)