2018年12月号 [Vol.29 No.9] 通巻第336号 201812_336004

グローバライゼーションにつながる小さな国際交流—キッズ・アクティビティ—

  • 地球環境研究センター 交流推進係 ナジ 田中 エディット
  • 地球環境研究センター 地球大気化学研究室 久禮まゆ
  • 地球環境研究センター 地球大気化学研究室 佐々木直子

私たちは平成30年9月25日(火)から29日(土)までの期間、香川県高松市で開催された地球大気化学国際会議(iCACGP-IGAC 2018)にLocal Organizing Committee(LOC)メンバーとして参加してきました。

この大規模な会議には、46か国から730名以上の科学者が参加し、大変有意義な国際交流をすることができたと思っています。多くの外国人、特に欧米人は、このような国際学会や会議には家族を連れて行くのが普通で、会議の前後を利用して家族と一緒に旅行するのも珍しくありません。そこで、この会議では、親である参加者が他の科学者の講演、自分の発表や世界中から集まった同僚との交流に安心して集中することができるように、会議中に小さな子供のためのベビーシッターサービスを提供しました。また6歳以上の子供を対象に、9月26日と28日の両日の午前中に日本の文化に触れる機会としてキッズ・アクティビティーを計画しました。

写真1家族プログラム・キッズ・アクティビティーの看板。折り紙も飾り付けて華やかに

アクティビティーに参加したのは、シンガポールとオーストラリア、そしてアメリカ在住のインド人とフランス人の両親をもつ子供たち5人でした。

アクティビティーの一回目の活動は折り紙でした。初めて折り紙を経験した子供は簡単な動物などを作りましたが、それだけでは物足りなかったのか9–11歳の3人の男の子はもっと難しいユニット折り紙に挑戦しました。学者であるお母さんたちが国際会議に参加している間に、子供の面倒を見るお父さんたちも2人、子供と一緒にキッズ・アクティビティーに参加し、とても賑やかで、楽しい2時間でした。

写真29/26日に行われたキッズ・アクティビティー:折り紙初体験の子供たち。最初はちょっと緊張気味?

28日の活動には、日本のゲーム、例えばお箸を使った「豆取り」、また、けん玉のゲームも行いました。さらに、子供たちが日本語で1から10まで数えることも習い、お互いの国での生活についても質問をしました。

写真39/28日のプログラム:豆取り。お箸を使って器のなかの豆を別の器に移動するゲームに挑戦する子供たち

しかし、前回の折り紙がとても楽しかったようで、1時間過ぎたら子供たちから「また折り紙をやりたい」との希望が出てきましたので、残りの時間は折り紙を作りました。

写真4ユニット折り紙を作る子供たちの様子。ユニット折り紙は、いくつものユニットを組み合わせて複雑な形を作り上げていきます。男の子たち3人は楽しそうに挑戦していました

折り紙がとても面白かったのでしょうか、キッズ・アクティビティーの時間が終了しても会場のホワイエの床に座って一人で折り紙を楽しんでいる男の子がいました。

子供たちはこのような機会をとおして、楽しい活動だけではなく、日本の文化に触れ、国際交流の経験もできたと思います。科学者である親の国際学会について行き、若いころから国際環境に触れる機会をもてる子供たちは、きっと将来本当の意味での国際人に成長するのだろうと思います。そして、それは科学の国際化への貢献になり、人間の成長にもつながり、グローバルな考え方を持つ人間を生み出すのではないかと確信します。これが本当の意味でのグローバライゼーションだと思います。

写真5楽しかったキッズ・ルームの活動を終えて、すっかり仲良しになった子供と筆者

英語版も掲載しています
English version

ご意見、ご感想をお待ちしています。メール、またはFAXでお送りください。

地球環境研究センター ニュース編集局
www-cger(at)nies(dot)go(dot)jp
FAX: 029-858-2645

個人情報の取り扱いについては 国立環境研究所のプライバシーポリシー に従います。

TOP