2011年8月号 [Vol.22 No.5] 通巻第249号 201108_249006

観測現場から—PYXIS— 時の流れ

(財)地球・人間環境フォーラム 研究員 山田智康

観測協力船PYXIS号での一日は、実は24時間ではありません。太平洋を絶え間なく横断している本船には常に時差調整がつきまとうからです。日本を出港し北米に向かう東向き航海では一日(太陽の南中から次の南中まで)が短く、反対に西向き航海では一日が長くなります。本船の平均的な速度は19ノット(35km/時)、本船が主に航行する北緯40度付近の経度15度(時差1時間に相当)の距離が1280kmですから、東西方向に進む場合24時間につき約0.66時間の時差が生じる計算になります。観測員を含む全船員は時差を調整した船内時計に合わせて生活しています。過不足する時間は睡眠時間の加減で調整するため、東向きでは寝不足、西向きではゆっくりと眠れる…、という一日の生活を2〜3週間ごとに繰り返すのです。一方観測データの記録はUTC(協定世界時)で行われており、こちらは一日が正確に24時間です。こうした一日一日を積み重ねて、長期モニタリングは継続されています。

photo. 航海士

時差調整のため船内時計をすすめる航海士

ご意見、ご感想をお待ちしています。メール、またはFAXでお送りください。

地球環境研究センター ニュース編集局
www-cger(at)nies(dot)go(dot)jp
FAX: 029-858-2645

個人情報の取り扱いについては 国立環境研究所のプライバシーポリシー に従います。

TOP