地球温暖化研究プログラム

プロジェクト3低炭素社会に向けたビジョン・シナリオ構築と対策評価に関する統合研究

平成27年度の研究成果

サブテーマ1では、バックキャスティング手法等をインドネシアやマレーシア、ベトナムなどのアジアの国々に適用して得られるさまざまな定量的な情報—低炭素社会の実現に必要となる社会経済動向や対策技術、それらを反映させた具体的な生活の姿—を分析しています。これらの情報は、気候変動の国際交渉を支援する科学的な基礎データとして活用されます。ベトナムのホーチミン市では、現地の研究者や政策決定者と共同で、気候変動実行計画の導入により削減される温室効果ガス排出量を定量化するなど、アジアの国や都市を対象とした低炭素社会の構築に向けた支援を行っています。

サブテーマ2では、これまでに開発してきたモデルの改良を通じて、地域や部門の特性を反映させた温室効果ガス排出削減費用の推計や、温室効果ガス排出削減計画の検討を行っています。また、世界モデルを用いて、緩和策だけでなく温暖化影響や適応策を踏まえた多様なシナリオも、国際プロジェクトに参加して作成しています。さらに、他のサブテーマとともに、日本モデル、世界モデルを連携した分析を行い、COP21までに日本や他の国々が提出した削減目標(INDCs)を実現した場合の世界の温室効果ガス排出量の推移を評価しています。

サブテーマ3では、次期国際制度に関する国際交渉が難航する原因や、中長期的に目指すべき国際制度の構造を、成果として公表してきました。2015年末のCOP21で採択されたパリ協定は、本研究成果として示した合意文書案の一つと類似したもので、現実的な案を提示できたことになりました。今後は、パリ協定で残された課題に引き続き取り組みます。

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