2013年5月号 [Vol.24 No.2] 通巻第270号 201305_270007
【最近の研究成果】 ICESat衛星に搭載されたレーザ高度計(GLAS)を利用し、北海道の森林の樹冠高の推定と誤差の解析に成功
衛星に搭載されたレーザ高度計により森林の鉛直構造に関する情報が得られるため、樹冠高や地上のバイオマスの計測に使われる。しかし樹冠高の推測には異なる手法による精度の違いや誤差の評価に注意を要する。私たちの研究では北海道の苫小牧と釧路の森林において、NASAの衛星ICESat[注]に搭載されたレーザ高度計(GLAS)を利用して複数の方法を比較し、さらに精度に影響を与えるいくつかの要素を評価した。その結果、地表面の勾配が推測の精度に大きな影響を及ぼすことが確認されたため、勾配に応じて異なる推測式を利用することを提案した。この方法を使うと、平均2.8mの精度で樹冠高を推測できることが確認された。

地表面の勾配と樹冠高の推測誤差との関係
本研究の論文情報
- Forest canopy height estimation using ICESat/GLAS data and error factor analysis in Hokkaido, Japan
- 著者: Hayashi M., Saigusa N., Oguma H., Yamagata Y.
- 掲載誌: ISPRS Journal of Photogrammetry and Remote Sensing, 81 (2013), 12-18
脚注
- 氷、雲、標高を計測するNASAの地球観測衛星(Ice, Cloud, and land Elevation Satellite: ICESat)