2011年9月号 [Vol.22 No.6] 通巻第250号 201109_250007
平成23年度国立環境研究所夏の大公開
国立環境研究所は、小中学校等の夏休み最初の土曜日にあたる7月23日(土)に毎年恒例の「夏の大公開」を開催しました。当日は過ごしやすい天候となり、昨年度を上回る3,811名の方々にお越しいただきました。
地球環境研究センターは、ポスターや立体模型・モニターの展示等で最新の研究・事業内容や成果をわかりやすく紹介するとともに、環境問題を学べるさまざまな体験型の企画を出展しました。
大山記念ホール中会議室で行った「ココが知りたい温暖化」では、家庭での省エネやマイカーの使い方などの身近な地球温暖化対策について解説しました。講演については概要をご覧下さい。
地球温暖化研究棟では、さまざまな企画展示を行いました。ポスターや実際の観測機器を展示し、地球温暖化について説明しました。また、専用レンズを使用して高山帯植生を3D画像で見ていただき、温暖化影響モニタリングの方法を解説しました(写真1)。さらに地球温暖化の予測シミュレーションなどの研究成果を動画でご覧いただきました。
「潜入! 実験室ツアー〜世界の空気はここで測る〜」は世界中で集めた空気の二酸化炭素(CO2)やメタンなどの温室効果ガス濃度を高精度で測定する実験施設を公開しました。毎年大人気のこの企画は今年も盛況でした(写真2)。温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)チームは、「いぶき」が観測した全球のCO2濃度分布などを球面ディスプレイで紹介しました。
昨年大変好評だった「節電で減らせる! CO2」は社会環境システム研究センターと共同で行いました。私たち日本人が他の国と比較してどのくらいCO2を排出しているか、棒グラフの模型を作成して、立体的に表示しました。また、家電の買い替え時は、節電とともに家庭からのCO2排出量を減らすチャンスです。「家庭の省CO2パネル」だけではなく、今年はワットメーターを使い、消費電力の「見える化」を行い、どのくらい減らせるか、わかりやすく展示しました。発電効率を高め自転車そのものも新しくなった「自転車 de 発電」では、家庭の電化製品に必要なエネルギーを自転車発電で体験していただきました。
子ども向けの企画としては、毎年恒例となっているクイズ「かんきょう問題かんしん度チェック」とぱらぱらマンガに加え、地球環境に関するヘキサフレクサゴン(折り紙六角形)が初登場しました。絵が次々に変わる不思議なパズルは子どもたちに人気でした。
夏の大公開が地球環境問題への関心を深めていただく機会になれば幸いです。ご来場いただいたみなさまに、心からお礼を申し上げます。