地球温暖化研究プログラム

プロジェクト1温室効果ガス等の濃度変動特性の解明とその将来予測に関する研究

これまでの研究成果

衛星によるグローバルな観測が開始されたことにより、二酸化炭素のカラム濃度分布などが計算されるようになってきましたが、そのデータや本プロジェクトで取得した観測データを用いて地上の二酸化炭素吸収量分布を求める方法を検討しています。図1は現在計算を行っている68分割の領域です。その結果、これまでデータの空白域であったインド、東南アジアの航空機のデータが有効であることがわかりました。今後、より詳細なデータが提出されると考えられます。

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図1フラックス計算用68分割領域

航空機による二酸化炭素の高度分布のデータは、地上でのデータと組み合わせてみると、大気のグローバルな混合様式を考える際に非常に有効な情報を与えることがわかりました。特に北半球と南半球の空気の混合に関する情報がこれまであまりなかったのですが、ここでの航空機観測によりそのパターンが鮮明にわかるようになってきました。

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図2二酸化炭素の高度別緯度分布

二酸化炭素の起源としては人為的な化石燃料の燃焼の他、森林火災などの現象も含まれますので、一酸化炭素やメタンを観測することは東南アジアの二酸化炭素発生源を考える際の良い指標になると考えられます。そのためには、近年高頻度で観測を行っている船舶のデータが今後有効なデータになると考えられます。図3は、船舶での観測で得られた、一酸化炭素の濃度分布であり、東南アジアでの燃焼起源の一酸化炭素発生源の地域分布を反映していると考えられます。

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図312月–2月のアジア路線定期船舶で測定された一酸化炭素濃度

本プロジェクトでは、海洋や陸域の二酸化炭素フラックス観測も行っていますが、太平洋上での二酸化炭素の吸収・発生量を推定するためにより詳細なマップを作製するための研究が行われています。

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図4ニューラルネットワークで推定した海洋の二酸化炭素分圧分布

今後、大気観測と地上での観測を総合化し発生量、吸収量の推定精度の向上を目指します。