COLUMN2024年5月号 Vol. 35 No. 2(通巻402号)

観測現場発 季節のたより[30] 2月の波照間ステーション

  • 沢田近子(地球システム領域 物質循環観測研究室 高度技能専門員)

波照間ステーションは、落石岬ステーションとともに国内で大気環境のモニタリングを長期間行っている観測ステーションです。今回は現場に2月13日午後5時半ごろ到着。太陽に照らされる観測タワーを見ると、つくばではもう日の入りを過ぎたはず、と西へ移動したことを実感します。

写真1, 波照間ステーションに到着した夕刻。外はまだ明るい。
写真1 波照間ステーションに到着した夕刻。外はまだ明るい。

波照間島の冬は、長袖が要る寒い時と、半袖で過ごせるほどの陽気になる時と様々ですが、この時期でも生き物たちは元気そうです。ステーションに車を停めると、色とりどりの蝶が出迎えてくれます。この日は天気に恵まれ、夜にはいろいろな虫の声とコノハズクの鳴き声が賑やかに聞こえてきました。

写真2, ステーション近くで見かけたリュウキュウアサギマダラ。本州にいるアサギマダラより羽の青味が強い。
写真2 ステーション近くで見かけたリュウキュウアサギマダラ。本州にいるアサギマダラより羽の青味が強い。

観測タワーに登っていると、小型飛行機が目の前の滑走路に向かってきました。つい先月、15年振りに再開された石垣―波照間を結ぶ定期航空便です。現在週3往復の運航ですが、船の欠航率が高い時期などに波照間を往来する人の利便性が良くなると期待されています。我々観測スタッフにとっても、船が出るまで何日も石垣で足止めされる事が少なくなれば有難いですね。

写真3, 波照間空港に着陸する航空機。15年振りに石垣―波照間の定期運航を再開した。
写真3 波照間空港に着陸する航空機。15年振りに石垣―波照間の定期運航を再開した。
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