NEWS2023年6月号 Vol. 34 No. 3(通巻391号)

貨物船「TRANS HARMONY 1」による日本-東南アジア航路上の大気中CO2濃度とオゾン濃度データを公開しました

  • 中岡慎一郎(地球環境研究センター大気・海洋モニタリング推進室 主任研究員)
  • 高尾信太郎(地球環境研究センター大気・海洋モニタリング推進室 主任研究員)

社会経済活動が急速に活発化している東南アジアでは、人間活動起源の温室効果ガスの急激な排出増加が懸念されています。観測の空白域である東南アジア域において、大気中の二酸化炭素(CO2)を含む長寿命温室効果ガスやオゾンのような短寿命成分の時間変動や空間分布を広域かつ系統的に観測することは、人為起源温室効果ガスの排出量を正確に把握するために極めて重要です。

国立環境研究所では、トヨフジ海運(株)の協力により、日本と海外の間を航行する貨物船舶で海洋上の大気環境モニタリングを実施しています。貨物船「TRANS HARMONY 1」によって日本と東南アジアを結ぶ航路上で観測された大気中CO2濃度とオゾン濃度データを公開しましたのでお知らせします。

https://www.nies.go.jp/doi/10.17595/20230425.001.html

貨物船を用いた大気・海洋温室効果ガスの観測について:https://esd.nies.go.jp/ja/research/projects/aom-002/

他にもさまざま研究データを公開しています。
地球環境データベース:https://db.cger.nies.go.jp/ged/ja/

図1 貨物船「TRANS HARMONY 1」によって観測された日本-東南アジア航路上の大気中CO2濃度。色はCO2の濃度(ppm)を表している。図は地球環境データベースで提供する解析ツール「クイックプロット」を用いて、2018 年11月25日から12月24日までに観測されたデータから作成。
図1 貨物船「TRANS HARMONY 1」によって観測された日本-東南アジア航路上の大気中CO2濃度。色はCO2の濃度(ppm)を表している。図は地球環境データベースで提供する解析ツール「クイックプロット」を用いて、2018 年11月25日から12月24日までに観測されたデータから作成。