CONTRAIL速報値の公開を開始しました。
民間航空機を使った温室効果ガス観測プロジェクト(CONTRAILプロジェクト)では、CO2濃度連続測定装置(CME)によって航空機上で観測されたCO2濃度のデータを、2018年よりデジタルオブジェクト識別子(DOI)を付与した形で一般に公開しています。また、自動サンプリング装置(ASE)によって航空機上で採取された空気試料を分析したCO2濃度とCH4濃度の太平洋上とユーラシア大陸上におけるデータを2019年より、CMEと同様にDOIを付与して公開しています。
これまでの公開では観測されたデータの品質チェックが十分になされた前々年の12月までのデータを配布していました。しかしながら近年の世界的なオープンデータの流れや、脱炭素社会に向けた科学的証拠の需要の高まりを受けて、「CONTRAIL速報値」の公開を2021年8月より開始しました。
CME速報値:https://www.nies.go.jp/doi/10.17595/20210827.001-e.html
ASE速報値:https://www.nies.go.jp/doi/10.17595/20210827.002-e.html
CMEとASEの速報値は、前年の12月までの観測データが相当します。今まで公開してきたデータのように品質チェックが完全とはいえませんが、これまでのデータ処理経験から現実的な利用に適うと判断できるものです。予想していたとおり、公開直後から国内外の多くの研究者から利用希望の連絡が届いています。より即時性を持ったCONTRAILデータがさらに普及し、世界の炭素循環研究が進展することをプロジェクトに関わるメンバー一同が望んでいます。