COLUMN2023年5月号 Vol. 34 No. 2(通巻390号)

観測現場発 季節のたより[19] 犬見た星を私も見たい (1)スモークベーコン

  • 笹川基樹(地球環境研究センター大気・海洋モニタリング推進室 主幹研究員)

シベリアでは、10月で月平均気温が零度を下回る地域も多く、季節感が違う。最近、何月を“秋”とするかで研究の結論が逆転する論争*1があり、季節感の違いが招いたことかもしれない。

タイガ奥地(西シベリアのトムスク州)の観測地点に私が初めて滞在したのは、8月終わり頃で、私の季節感では札幌の晩夏だった。トムスク市から悪路を3時間。石油会社が通信のため独自に建てた鉄塔がある。私達はそれを利用して、温室効果ガスの観測を行っている。滞在時の食料は現地の共同研究者であるミーシャさんが持ち込んでくれた。

ランチ(鉄塔側の簡易宿泊施設にて)
〇スモークベーコン(写真)
〇パン
〇紅茶
〇柿の種(我々が提供したもの)

スモークベーコンは層の崩れたティラミスのような見た目だったが、脂身が抜群で、パンに挟んで食べると塩味が絶妙。柿の種はロシアの方に好評で、毎回定番のお土産になっていた。

写真 スモークベーコン。白い層は脂身。ミーシャさんがスライスしている。
写真 スモークベーコン。白い層は脂身。ミーシャさんがスライスしている。
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