観測現場発 季節のたより[19] 犬見た星を私も見たい (1)スモークベーコン
シベリアでは、10月で月平均気温が零度を下回る地域も多く、季節感が違う。最近、何月を“秋”とするかで研究の結論が逆転する論争*1があり、季節感の違いが招いたことかもしれない。
タイガ奥地(西シベリアのトムスク州)の観測地点に私が初めて滞在したのは、8月終わり頃で、私の季節感では札幌の晩夏だった。トムスク市から悪路を3時間。石油会社が通信のため独自に建てた鉄塔がある。私達はそれを利用して、温室効果ガスの観測を行っている。滞在時の食料は現地の共同研究者であるミーシャさんが持ち込んでくれた。
ランチ(鉄塔側の簡易宿泊施設にて)
〇スモークベーコン(写真)
〇パン
〇紅茶
〇柿の種(我々が提供したもの)
スモークベーコンは層の崩れたティラミスのような見た目だったが、脂身が抜群で、パンに挟んで食べると塩味が絶妙。柿の種はロシアの方に好評で、毎回定番のお土産になっていた。

※シベリアにおける観測については、以下を参照してください。
笹川基樹「シベリアタワー観測の実際と幻想」地球環境研究センターニュース2009年11月号
笹川基樹「長期観測を支える主人公—測器と観測法の紹介— 8 シベリア奥地での温室効果ガスの無人連続観測」地球環境研究センターニュース2014年10月号