2019年5月号 [Vol.30 No.2] 通巻第341号 201905_341003

「地球温暖化のわかっていることとこれからのこと」パネル展示の報告

  • 練馬区立春日町リサイクルセンター 事業コーディネーター 西國史乃

1. はじめに

練馬区立春日町リサイクルセンターは、練馬区内に4つあるリサイクルセンターの一つで、循環型社会の実現のために、広く一般区民の方々に向けて環境やリサイクルについての知識や情報を提供する施設です。練馬区は住宅地エリアが圧倒的に多い区で、特に幣館の立地エリアは近隣に小・中学校が5校あり、子育て世代の住居が多い地区なので、子どもから大人まで幅広い年代の方が来館します。リサイクルセンターでは、2月の省エネルギー月間に合わせて、省エネに関する講座やイベント、展示などを毎年開催しています。家庭でできる省エネの方法については少しずつ浸透してきていますが、未だ「地球温暖化」を知らなかったり、言葉は聞いた事はあるけれど実際には分からない方が多いのが現状です。そのため、今年は地球環境研究センターのご協力を得て「地球温暖化のわかっていることとこれからのこと」のパネルを省エネ月間特別展として2月1日から28日まで展示させていただきました。

2. 展示の様子

展示物は「地球温暖化のわかっていることこれからのこと」パネル5枚と地球環境研究センターの取組みパネル1枚の他に「ここが知りたいパリ協定」とセミナー案内フライヤーを自由に持ち帰れるコーナーを作りました。様々な年代の方にゆっくり展示を見ていただく為に、ラウンジスペースであるコミュニティーコーナーに展示しました。

展示期間中は1日平均約100名の来館者があり、主に平日は乳幼児のお子様連れの家族やご年配の方が、週末は小学生とその家族や働く世代の方々がコミュニティーコーナーを利用しながら展示を見てくれていました。さらに、2月17日(日)にエコ工作と省エネの実演や体験をできるミニイベントを開催し、その日はいつも以上にたくさんの親子が展示コーナーに立ち寄ってくれました。

パネルは地球温暖化の「しくみ」「影響」「対策」「取り組み」を画像やイラストなどで分かりやすく解説していて、グラフも難しいデータを使っているのではなく、一目で二酸化炭素濃度と平均気温が上昇しているのが見て取れます。特に来館者の目をひいたのが、地球温暖化が進んだ場合の2041年–2050年の世界の地表面の温度上昇と北極付近の海氷面積予測結果の画像で、1951年–1960年の平均と比較すると地球温暖化が深刻な状況である事が分かり、「あと20年でこんなに地球が赤く(暑く)なってしまうんだね。」や「暑くなるとどうなるの?」と家族や友人同士で会話をしている場面を多くみました。また、地球温暖化の対策には緩和策と適応策があり、原因を少なくする方法だけでなく影響に備える方法も伝える事が重要だと、筆者も勉強になりました。

写真1春日町リサイクルセンター展示エリアの様子

写真2週末にセンターに遊びに来ていた子どもたちが熱心に見てくれていました

3. 終わりに

1ヶ月間の展示を通じて、今まで地球温暖化について興味がなかったり、難しさを感じていた方々にも知ってもらういい機会になったと思います。少しでも多くの方々に地球温暖化の状況を理解してもらい、行動を起こしてもらうように導くのが当センターのミッションだと改めて感じました。今後も地球環境研究センターのご協力も得ながら、展示の他にイベントや講座などでコミュニケーションを取りながら様々な方法で啓発に取り組んでいきたいと思います。

ご意見、ご感想をお待ちしています。メール、またはFAXでお送りください。

地球環境研究センター ニュース編集局
www-cger(at)nies(dot)go(dot)jp
FAX: 029-858-2645

個人情報の取り扱いについては 国立環境研究所のプライバシーポリシー に従います。

TOP