News Archives [20051024]
 
スーパーコンピュータによる地球環境研究発表会(第13回)開催報告

 「第13回スーパーコンピュータによる地球環境研究発表会」が10月20日(木曜日)に国立環境研究所地球温暖化研究棟交流会議室で行われました。本発表会は、当研究所のスーパーコンピュータを利用する所内外の研究者らが、年一回最新の研究成果を持ち寄り発表するほか、研究者間の情報交換の場としても利用されています。

 発表会は、午後13時に開会し17時30分まで、途中コーヒーブレークを挟み15課題が順次発表されました。15課題のうち継続利用は14件で、1件が新規の利用課題でした。今年度は、2つの優先利用課題がありましたが、そのうちの一つである「オゾン層の将来予測実験」(課題代表者:秋吉 英治 国立環境研究所)の関係者は米国での重要な会議と日程が重なり出席できなかったため、予稿集のみの発表となってしまったことは残念でしたが、もう一つの優先利用課題である「高解像度大気海洋結合モデルを用いた気候変化実験」(課題代表者:小倉 知夫 国立環境研究所)からは、「長周期潮汐に起因する北太平洋の変動」発表者:羽角 博康(東京大学気候システム研究センター)と「20世紀中盤の地表気温に対する炭素質エアロゾルの影響」発表者:永島 達也(国立環境研究所 大気圏環境研究領域)の2件の発表が行われました。この永島さんの発表は、地球温暖化が叫ばれるなか20世紀中盤の弱い寒冷化について着目していたことで、とりわけ興味深く印象に残りました。

 今年の発表会は、10月後半にもかかわらず台風が発生し数日前からの進路予想が関東直撃もありうるコースだったため、どうなることかと危惧していたのですが、当日の未明に暴風域も消滅し大きく東よりのコースに進んだお陰で、かえって澄んだ秋空に恵まれ一気に爽やかな空気に包まれました。こうした季節はずれの台風の到来にも、やっぱり地球温暖化は起こっているんだろうなと考えさせられてしまいました。

 今回の発表会からスーパーコンピュータが多様なニーズを果たすことが、改めてわかりました。また現在導入しているスーパーコンピュータは3世代目の4年目で、来年度末にレンタル期間が終了することから、所内でそのための検討が始まっています。運用に関して環境情報センターの協力により円滑に維持されていること及び本発表会に参加していただいた方々に、深く感謝致します。

日  時平成17年10月20日(木) 13:00〜17:30
場  所独立行政法人 国立環境研究所地球温暖化研究棟 交流会議室

 発表会プログラムはこちらをご覧下さい。

スパコン会議風景1

スパコン会議風景2