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中核研究プロジェクト2 衛星利用による二酸化炭素等の観測と全球炭素収支分布の推定
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地球温暖化研究プログラムトップページ > 中核研究プロジェクト2トップページ > 平成18年度の成果の紹介 |
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〔平成18年度の成果の紹介〕 |
当研究プロジェクトでは3つの研究グループにより研究を実施し、その成果は国環研GOSATプロジェクトオフィス事業に反映しています。それぞれの平成18年度の主要な成果は下記の通りです。 |
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衛星観測データの処理アルゴリズム開発・改良研究 |
衛星で観測するデータに多く含まれる薄い雲(巻雲)の影響対処手法を確立しました。2.0μm帯の強い水蒸気吸収帯では、地表面に到達した光は水蒸気に吸収されて衛星に到達しません。
一方、高層に巻雲があるとそこでの反射光が衛星に到達します。これを利用して巻雲の存在、光を減衰させる程度(光学的厚さ)、存在する高さなどの情報を推定し、二酸化炭素濃度を適切に推定します。 |
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【巻雲存在下での二酸化炭素濃度推定手法】
第1ステップ 巻雲高度・光学的厚さを推定
◆0.76μm帯と、2.0μm帯の水蒸気飽和領域を利用
第2ステップ カラム濃度・地表面分光反射率を同時推定
◆1.6μm帯から二酸化炭素とメタンのカラム量を誤差0.2%程度で推定可能 |
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地上観測・航空機等観測実験による温室効果ガス導出手法の実証的研究 |
2006年12月に筑波山山頂で衛星の模擬観測実験を実施しました。二酸化炭素濃度の導出手法の確認と、エアロゾルの影響を確認しました。 |
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地上観測・航空機等観測実験による温室効果ガス導出手法の実証的研究
(平成18年度 筑波山山頂観測実験) |
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エアロゾルを考慮した場合と考慮しない場合の推定結果 |
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模擬観測データ(BBM) からのカラム量推定値とCO2濃度計による直接測定値との比較
→ カラム量の違いは2%以下(ただし、仮定したエアロゾルモデルには不確定性が大きい)
⇒ エアロゾルを考慮すると0.2~0.4%ほど変化する。 |
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全球炭素収支推定モデルの開発・利用研究 |
大気輸送モデルの時・空間的な分解能を向上することにより、都市周辺の高いCO2濃度の分布をモデル化することが出来ました(図1)。また、高分解能のモデル(図1-b)では、低分解能(図1-a)では見られなかった九州周辺の台風によるCO2の渦を再現することができました。
さらに天候の変化が二酸化炭素濃度に与える影響について研究を行いました。1998年から2003年の期間、地上気圧と二酸化炭素濃度の関係を調べたところ、8月のシベリアでは地上気圧の変化に対して二酸化炭素濃度は正の相関関係を持つことがわかりました(図2)。GOSAT衛星は主に晴天域(高気圧域)での二酸化炭素濃度を計測するので、GOSAT観測データを炭素循環解析に用いる際、総観規模の気圧変動に伴う二酸化炭素濃度の変動を考慮する必要があることをこの結果は示しています。 |
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図1.低分解能と高分解能のモデルによって
得られた二酸化炭素濃度の分布図(2002年8月30日分)。
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図2.1988~2003年の8月の低気圧による二酸化炭素濃度のバイアスの全球分布図。
バイアスの値が正の場合は低気圧によって二酸化炭素濃度が低くなることを示す。
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GOSAT DHFの概要 |
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国立環境研究所では、環境省・国立環境研究所・宇宙航空研究開発機構の三者により推進されているGOSATプロジェクトの推進のための準備に取りかかっています。JAXAからGOSATデータを入手し、処理、解析、配布を行うGOSAT Data Handling Facility(GOSAT DHF)の開発・整備を開始し、GOSAT DHFを開発運用する体制としてGOSATプロジェクトオフィスを発足させました。具体的に本年度は、以下の成果を得ました。
(1)システム開発を担当する業者を選定し、定常処理運用システムの基本設計と一部詳細設計を完了した。
(2)GOSATの定常処理に利用する計算機システムの一次導入を行った。
(3)研究により開発されたデータ解析手法を当システムに反映するために調査し、基本事項をアルゴリズム基準書として整理し、システム開発を開始した。
(4)GOSAT観測データの一次処理(レベル1)データの入手元である宇宙航空研究開発機構とのインタフェース調整を行い、定期的に会議を行った。
結果として、平成20年度の打ち上げ時には、GOSAT DHFの運用の準備が完了する予定です。 |
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