G空間EXPOへの出展報告
2026年1月28日(水)~1月30日(金)に東京ビッグサイトにて、G空間EXPOが開催され、国立環境研究所(以下、NIES)衛星観測センターも出展者として参加しました。G空間EXPOとは、「地理空間情報技術(=Geospatial Technology)」を活用した社会の実現に向けて、民間企業、政府、地方自治体などの取組や最新情報について様々な展示、講演などを行うイベントです。
(参考:G空間EXPO「G空間EXPOとは」 https://www.g-expo.jp/)
衛星観測センターはその名のとおり、「衛星」を使って宇宙から温室効果ガス濃度の分布を「観測」しています。2009年に、温室効果ガス観測技術衛星(Greenhouse gases Observing SATellite:GOSAT)1号機が、2018年に2号機、2025年に3号機(Global Observing SATellite for Greenhouse gases and Water cycle: GOSAT-GW)が宇宙に打ち上げられました。GOSATのプロジェクトは、環境省、国立環境研究所(NIES)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で実施しています。
G空間EXPOでは、GOSATプロジェクトの成果を中心に展示し来場者の皆様に紹介しました。本記事では、出展準備から本番の様子を報告いたします。
準備 ~「ロジ」とは~
2025年6月頃、環境省環境研究技術室からNIESの企画部にG空間EXPOへの出展の打診があり、企画部から衛星観測センターへ依頼されたことが今回の出展のきっかけでした。G空間EXPOで30分程のセミナーも行うこととなり、岡本主任研究員が中心となり準備が進められました。
主な準備は以下のとおりです。
- 展示ブース内に何を配置するか決定しG空間EXPOの事務局に申請(机や椅子などは事務局からレンタルする必要がありました。)
- セミナーの講演者との調整(講演者の資料のとりまとめや、事務局へのセミナー内容の申請など。)
- 展示物の検討、準備、配送
(今回の展示では、民間航空機を利用して温室効果ガスを観測するプロジェクト、CONTRAILに関するポスターも掲示しました。
参考:CONTRAIL (Comprehensive Observation Network for TRace gases by AIrLiner) 「CONTRAILについて」 https://cger.nies.go.jp/contrail/ja/index.html) - 来場者に配布するノベルティの検討、準備、配送(数が多くて重いものは宅配便で会場に送りました。)
- 準備の際に車で会場に乗り入れる必要がある場合は事務局に申請(今回は電車で向かったのでこの申請は不要でした。)
- G空間EXPO本番で対応するNIES職員の募集、シフト調整
ところで会議の準備などのことをよく「ロジ」と言うのですが、NIESでも「ロジ」という単語は浸透しています。今回、岡本主任研究員に環境省との調整をお願いし、GOSAT 3Dビジュアライザーの用意や、当日の展示対応、環境省地球環境局総務課気候変動観測研究戦略室の永森室長によるセミナーでの講演をしていただくこととなりました。他機関との調整も「ロジ」の内です。
私は、展示で来場者の目を引くであろう3Dホログラムを購入するためNIESの会計課・業者と調整を進めました。3Dホログラムとは、何もない空間に立体的な映像を投影することのできる装置です。この3Dホログラムに投影する動画はGOSATの成果を中心に佐伯主任研究員、岡本主任研究員、吉村高度技能専門員が作成に携わりました。展示物やノベルティの内容については吉村高度技能専門員が検討し準備を進めました。
G空間EXPO開催前日(2026年1月27日(火))、岡本主任研究員と一緒に準備のために会場を訪れました。東京ビッグサイトではG空間EXPOだけではなく他の催事も開催されていたので大賑わいでした。G空間EXPOの会場でNIESの展示ブースを見つけ出してさっそく準備を開始しました。
と、ここでミスが発覚しました。
私が持参した3Dホログラムが今回調達したものではなく、別の3Dホログラム(小)を持ってきてしまったのです!
3Dホログラムはつくばに置き去りにされてしまったので、翌日(2026年1月28日(水))の展示ブース内で来場者の対応を行う予定の中岡主任研究員に持ってきてくださるよう依頼しました。(私が所用でつくばに帰れなかったので…。)しばらく自分のミスで落ち込んでいたのですが、岡本主任研究員が「明日の朝に準備すれば大丈夫!」と励ましてくれましたし、誤って持参した3Dホログラム(小)も受付台に置くこととしたので持ち直しました。トラブルにも動揺せずスタッフを励ますのも「ロジ」の内…。
本番 ~広告塔の活躍~
そして、迎えた本番。
3Dホログラムを無事に設置できました。写真では伝わりづらいのですが、遠くからでも3Dホログラムが目立っていて、来場者の方が3Dホログラムに興味津々で近づいて来られたところにすかさずGOSATのポスター前まで誘導し説明を行う作戦は大成功でした。
(弁明:六角形型のケースが大きいだけで、3Dホログラム本体は受付台の3Dホログラム(小)と同じくらいなのです・・・!この装置は、LEDを並べた羽根を高速で回転させ、光の残像によって映像を見せるというものです。人の目には、空中に立体的な映像が浮かんでいるように見えます。)
誤算だったのは、GOSATプロジェクトのことだけではなく3Dホログラムに関しても質問されたことです。私が3Dホログラム販売会社の営業担当だったら5件くらいは成約できたのでは、と思うほどの質問ラッシュでした。某大企業のショーアップ担当の方からは3Dホログラムについて10分程度質問され、最後にはお褒めの言葉を頂きました。3Dホログラムに負けないように広報を頑張ろう、と思いを新たにしました。
セミナー
1月29日(木)10時30分~11時10分に「温室効果ガス観測技術衛星GOSATシリーズで見る地球温暖化」というタイトルでセミナーを開催しました。講演者は、NIESの谷本領域長と環境省の永森室長です。永森室長からは、「気候変動対策に関する環境省の最新の取り組み」について紹介がありました。気候変動を正しく理解し、効果的な対策を講じるためには、地球観測に基づく正確なエビデンスの取得が不可欠であることが強調されました。また、GOSATシリーズによる観測や、得られたデータが企業においてどのように活用されているかについて、具体例を交えて説明が行われました。
続いて谷本領域長からは、「GOSATシリーズによる温室効果ガス観測:科学・政策・社会」と題したセミナーが行われました。NIESにおける地球観測への取り組みを紹介し、“地球観測”は環境変動を理解するための基礎・エビデンスであること、すなわち「正しいエビデンスなくして、正しい対策なし」という考え方が示されました。その上で、NIESが公表している日本の温室効果ガス排出量推計(インベントリ)について説明がありました。さらに、2026年に新たに打ち上げられたGOSAT-GWに搭載の温室効果ガス観測センサ3型(TANSO-3)による二酸化炭素(CO2)、メタン、二酸化窒素の排出源に関する初解析結果が示され、今後の気候変動対策への一層の貢献が期待されることが述べられました。
セミナーには30~40人程の方が来場し、熱心に聴講されていました。終了後にはNIESの展示ブースへ足を運んでくださった方も見られ、セミナーでの広報効果を早くも実感しました。
終幕
展示ブースには50部ほどノベルティを用意していたのですが、初日でほぼ無くなってしまいました。会期中に50部ほど追加したのですが、それも無くなるほど、G空間EXPOは大盛況に終わりました。
G空間EXPOの会場で色々な催事が同日に開催されていましたので、普段接することのない業種の方々ともお話しすることができ、GOSATを多くの方に紹介できたのではないかと思います。展示やセミナーに協力いただきました関係者のみなさま、誠にありがとうございました。
