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地球温暖化とその影響を把握するためには、気象(気候)要素を精度よく観測することが不可欠で、中でも、気候システムを理解する上で大気放射の観測が重要です。平成18年に設置された「地球観測連携拠点(温暖化分野)」による機関間並びに分野間の連携活動推進の一環として、平成23年度に放射観測の関係者・研究者から構成される「放射観測機器の較正に関するワーキンググループ」が設置され、放射観測機器の校正や精度の維持管理に関する技術的な検討が行われてきました。
本刊行物は、ワーキンググループ委員が執筆の中心となり、精度よく放射観測を実施する上で、放射観測機器の利用者にとって参考となる情報を集約したもので、放射観測機器の測定原理や構造、校正方法、特に、国際的な校正方法が確立されていない分光放射計の校正方法等が詳しく述べられています。
さらに、巻末には、地球温暖化観測推進事務局が全国の放射観測機関に対して行ったアンケート結果も掲載されており、今後、放射観測に関する調査等を行う際にも、有益な情報源となるものと思われます。