帯広市で国立環境研究所地球環境セミナーを開催しました

2月16日(土)北海道帯広市のとかちプラザにおいて、地球環境研究センターは、北海道十勝総合振興局、北海道環境財団と共催で「変貌する十勝の気候と地球温暖化」と題するセミナーを行いました。本セミナーでは、さまざまな二酸化炭素(CO2)観測手法と最新の観測結果、十勝地方や周辺地域での気候変化と将来予測、また、パリ協定の目標を達成するために不可欠な「社会の大転換」について、3人の講師が最前線の研究成果を踏まえた情報提供をしました。上記3機関は昨年3月10日にも帯広市で同様のセミナーを開催し(内容はhttp://cger.nies.go.jp/cgernews/201806/330004.htmlからご覧いただけます)、今回は2回目となりますが、当日は70人もの参加があり、講演後のディスカッションでは、参加者と講演者との活発な意見交換が行われました。

写真1 地球環境研究センターの町田敏暢室長は、「増え続けているCO2—北海道では? 世界では?」と題する講演のなかで、地球環境研究センターが沖縄県の波照間島や北海道の落石岬と陸別町で行っている観測を中心にCO2濃度変動の現状を紹介しました

写真2 気象庁札幌管区気象台の気候変動・海洋情報調整官である小司晶子氏は、十勝地方や周辺地域でのこれまでの気候の変化について観測データを利用して解説し、さらに今後どうなると予測されているのか説明しました

写真3 地球環境研究センターの江守正多副センター長は、パリ協定の目標達成のために世界のエネルギー源をどう変えていくか、また、2018年10月に公表されたIPCCの1.5°C特別報告書をどう受け止めるかというテーマで講演しました

写真4, 5 ディスカッションでは、休憩中に付箋に書いていただいた参加者からのたくさんの質問(写真上)に講演者が回答しました。また、参加者から貴重な意見もいただきました

セミナー開始前の午前中には体験イベントとして、自転車発電や海水がCO2を吸収することを確認する実験などを行いました。体験イベントには高校生からシニアまで幅広い年代の方が参加してくれました。

写真6 自転車で発電してLEDライトを点灯してもらいました

写真7 海がCO2を吸収する様子を実験で確かめました

なお、セミナーの詳細は、後日地球環境研究センターニュースに掲載します。

*写真提供:久保田学氏(北海道環境財団)