CGER-I163-2023_計算で挑む環境研究
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※3 Webb, M. J., F. Hugo Lambert, and J. M. Gregory (2012) Origins of differences in climate sensitivity, forcing and feedback in climate models. Climate Dynamics. https://doi.org/10.1007/s00382-012-1336-x ※2 Kamae, Y., and M. Watanabe (2012) On the robustness of tropospheric adjustment in CMIP5 models. Geophys. Res. Lett., 39, L23808. https://doi.org/10.1029/2012GL054275※4 Ogura, T., M. J. Webb, M. Watanabe, F. H. Lambert, Y. Tsushima, and M. Sekiguchi (2013) Importance of instantaneous radiative forcing for rapid tropospheric adjustment. Climate Dynamics. https://doi.org/10.1007/s00382-013-1955-x 以上で述べたような不確実性の定量化・理解・低減は、実際の研究ではどのように進められているのでしょうか。 ここからは、具体例をご紹介します。大気中のCO2濃度を瞬間的に4倍に増加させるシミュレーションにおいて、雲に生じる変化は、発生するタイミングにより2種類に大別できます。第一に、CO2濃度が増加したのち数ヶ月以内に発生する、対流圏調節と呼ばれるもの。第二に、数年~数十年以上かけて発生するものです。 CFMIPに参加したモデルで雲の対流圏調節を相互に比較したところ、モデル間で大きなばらつきが見られました(Kamae ほか(2012)※2)。とりわけ、低緯度の海洋上で大気下層の成層が強い領域に注目すると、対流圏調節により成層が変化しており、成層の弱まりが顕著なモデルほど雲が減少する傾向にありました(Webb ほか(2012)※3)。先ほど述べたように、大気下層で成層が弱まると下層雲を生成・維持しにくい環境となります。このことから、雲の対流圏調節がモデル間でばらつく要因として、成層の変化(弱まり具合)が関係していると推察できます。 さらに、成層の変化がモデル間でばらつく仕組みを調査したところ、CO2濃度増加によって大気中に生じる放射加熱が関係していることがわかりました。詳しく述べると、CO2濃度の増加量として共通の値を各モデルで設定したにも関わらず、大気中に生じる放射加熱の計算結果は、各モデルで一致しませんでした(図1、Oguraほか(2013)※4)。放射加熱は大気中の温度、とりわけその鉛直分布を変えることで成層の強さに影響します。従って、CO2濃度03不確実性の定量化・理解・低減へ向けた取り組み

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