CGERリポート

陸域生態系の炭素吸収源機能評価
-京都議定書の第2約束期間以降における検討にむけて-

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概要 - 181p -

京都議定書において温暖化対策として認められている植林や森林管理等の第2 約束期間以降における取り扱いに関する交渉が開始されています。 本レポートは、陸域生態系の炭素吸収源機能に関する最新の研究成果を踏まえ て、全球規模からプロジェクトレベルまでの様々なスケールにおける吸収源活動 に関する情報・データを提供するとともに、最新の国際交渉の動向を踏まえて政 策と科学の両面からの分析を実施したものです。地球温暖化問題の専門家のみな らず広く一般の方々にも利用いただければ幸いです。

吸収源情報データベース(HTML)
吸収量簡易推計EXCELファイル

表紙
序文
はじめに
目次
List of Figures
List of Tables
1. グローバルな炭素循環と中長期的な吸収源対策について
1.1 グローバルな炭素循環と陸域炭素吸収源
1.2 京都議定書での吸収源の評価と長期的な吸収源対策の課題
1.3 京都議定書の第1約束期間における陸域炭素吸収源の取り扱い
1.4 2013年以降の陸域炭素吸収源(LULUCF)オプションについて
1.4.1 吸収源オプション検討における基本原則
1.4.2 2013年以降の陸域炭素吸収源(LULUCF)オプション
2. TsuBiMo(Tsukuba Biosphere Model)の概要
2.1 TsuBiMoの基本概念
2.2 地球上の二酸化炭素吸収源の階層的なレベル
2.3 総一次生産(Global Primary Production : GPP)
2.3.1 光量飽和条件下の光合成の温度依存性
2.3.2 光合成の日射量依存性
2.3.3 光量子効率
2.3.4 日積算GPP
2.3.5 光減衰係数
2.3.6 日長
2.3.7 年間GPP
2.4 純一次生産(Net Primary Production : NPP)
2.5 純生態系生産(Net Ecological Production : NEP)
2.5.1 植物寿命
2.5.2 リターの分解速度の温度依存性
2.5.3 炭素蓄積量の温度依存性
2.6 純生物総生産(Net Biome Product : NBP)
2.6.1 寿命の純平衡的な変化の場合
2.6.2 植林のケース
2.6.3 伐採のケース
2.6.4 伐期延長のケース
3. モデルによるグローバルな吸収源対策ポテンシャル量の評価
3.1 吸収源対策と炭素吸収ポテンシャル
3.2 森林の炭素吸収能
3.3 植林地域と面積
3.3.1 森林に関わる土地利用変化
3.3.2 土地利用変化のモデル化
3.3.3 各コンパートメントのモデル化
3.4 試計算結果と考察
3.4.1 計算条件
3.4.2 炭素価格
3.4.3 排出カウント方法
3.4.4 NEPの予測精度
3.4.5 割引率
3.4.6 炭素価格の上昇
3.4.7 間伐と森林の炭素吸収
3.5 考 察
3.6 今後の課題
4. LULUCFに係る全球データセットに関する研究
4.1 背景
4.1.1 LULUCFとは
4.1.2 LULUCFに係わるデータセットの要素
4.1.3 モデルとの関連性
4.1.4 ポスト京都議定書に向けた課題
4.2 土地被覆・土地利用データセットに関する現状と今後の予定に関するレビュー
4.2.1 はじめに
4.2.2 衛星データの概要
4.2.3 全球データセットの現状
4.2.4 分類にかかわる問題
4.3 LULUCFデータベース構築に向けた検証手法の検討
4.3.1 土地被覆データセットの既存評価手法
4.3.2 今後の土地被覆検証の必要用件
4.3.3 今後の衛星利用の方向性
4.3.4 土地被覆データセット構築に向けたその他の課題
5. RS・GISを用いた吸収源対策プロジェクト評価
5.1 はじめに
5.2 プロジェクト評価における要求条件
5.2.1 プロジェクト評価の範囲
5.2.2 モニタリングの手順
5.2.3 モニタリング手法の考え方
5.2.4 リモートセンシングデータの適用範囲
5.2.5 リモートセンシングデータの適用可能性
5.3 豪州植林地を対象とした吸収源対策プロジェクト評価例
5.3.1 豪州の概況
5.3.2 豪州における植林事業例
5.4 リモートセンシングデータを用いたARD活動域の抽出例
5.4.1 処理手法
5.4.2 解析結果
5.5 第二約束期間を視野に入れた空間情報整備にむけて
6. 統計データによる国際炭素吸収量評価
6.1 はじめに
6.2 吸収源に関連する国別統計データ
6.2.1 FRA2000
6.2.2 TBFRA2000
6.2.3 FAOSTAT
6.3 国別統計データを用いた簡易的吸収量算定方法
6.3.1 簡易的算定方法及びデータの検討
6.3.2 算定オプション
6.3.3 算定対象範囲
6.3.4 対象国
6.4 算定結果及び考察
6.4.1 Gross-net及びNet-netアカウンティング方式による推定
6.4.2 伐採木材製品の算定アプローチ別の推定
6.5 まとめ
7. 国際的な森林認証における多面的森林機能評価
7.1 プロジェクトベースのMulti-Criteria評価・認証の動向
7.1.1 環境・社会的影響に関するプロジェクト評価の現状
7.1.2 森林認証制度
7.1.3 環境・社会的影響評価(アセスメント)制度
7.1.4 吸収源CDMプロジェクトの環境・社会的影響評価の義務化
7.1.5 CDMに関するプロジェクト評価-持続可能性評価
7.2 多様な便益の定量評価の従来法とその課題
7.2.1 持続可能な森林資源管理のための便益評価のカバー領域
7.2.2 Multi-Criteriaの選定根拠とプロジェクト活動との因果関係の考慮
7.3 プロジェクトの総合評価手法の問題
7.3.1 持続可能性、環境・社会的影響・便益を考慮したプロジェクト評価
7.3.2 定量的・定性的指標と統合化問題
7.3.3 多基準評価法を用いたプロジェクト評価の試みと課題
7.3.4 まとめ
8. 吸収源に係る気候変動と生物多様性の両レジーム間の政策的相互連関―そのデータベース構築を目指して―
8.1 はじめに
8.1.1 政策的相互連関とは何か
8.1.2 政策連関の研究
8.2 政策連関を分析するための枠組みの構築
8.2.1 分析枠組みの役割
8.2.2 分析単位としての概念モデルの構築
8.3 データベースの構成
8.4 気候レジームと生物多様性レジームとの政策的相互連関
8.4.1 相互連関の概要と政策内容
8.4.2 相互連関の発現要因
8.4.3 フェーズ1
8.4.4 フェーズ2
8.4.5 コメント:フェーズ2の評価
8.5 気候変動レジームとバイオセイフティレジーム
8.5.1 相互連関の概要と政策内容
8.5.2 相互連関の発現要因
8.5.3 フェーズ1
8.5.4 コメント
付録1 吸収源の基礎
1. 吸収源の基礎知識
1.1 UNFCCCにおける吸収源に関する検討経緯
1.2 吸収量に関する概観
1.3 各国の吸収量の報告
1.3.1 条約に基づく目録
1.3.2 条約に基づく目録
2. 吸収源CDMの基礎知識
2.1 CDMプロジェクトの流れ
2.2 定義
2.3 COP9で決定したルール
2.3.1 吸収源CDMを実施するための参加資格
2.3.2 吸収源CDMを実施するための参加資格
2.3.3 プロジェクト設計
2.3.4 指定運営組織(Designated Operational Entity:DOE
2.3.5 環境省の吸収源CDMへの取組 (地球環境センターCDM/JI事業調査)
3. 土地利用、土地利用変化、林業のグッドプラクティスガイダンス(GPG-LULUCF)における吸収量算定方式
3.1 Introduction
3.2 条約に基づく国家目録
3.2.1 目録と報告のステップ
3.2.2 主なポイント
3.3 京都議定書(3条3項、3条4項、6条、12条)に関する補助的情報
3.3.1 推定と報告のステップ
3.3.2 京都議定書(12条)に関する推定と報告のステップ
3.3.3 主なポイント(全般的事項)
3.3.4 主なポイント(吸収源プロジェクト)
付録2 吸収量簡易推計EXCELファイル
1. 簡易推計方法の概要
1.1 吸収量の推計方法
1.2 伐採による排出量の推計方法
2. 吸収量簡易推計Excelファイルの全体構成
3. 吸収量簡易推計Excelファイルの使用方法
3.1 吸収量算定ワークシート群における推計方法
3.2 排出量算定ワークシート群における推計方法
3.3 Outputワークシートにおけるオプション別推計