サイエンスキャンプは、科学技術に関心をもつ高校生・高等専門学校生が、通常接することの少ない研究機関などの研究者から直接指導を受ける機会を提供するために、独立行政法人科学技術振興機構からの委託を受けて、財団法人日本科学技術振興財団により実施・運営されている科学技術体験合宿プログラムです。国立環境研究所は「サマー・サイエンスキャンプ2008」で、2つのプログラムを、波照間(ハテルマ)島に設置された大気観測所(沖縄県竹富町字波照間)とつくばメインキャンパス(茨城県つくば市)を会場として開催いたします。このキャンプでの経験が、環境問題を科学的に理解するための最初のステップになることを期待しつつ、みなさんの積極的なご参加をお待ちしています。

- 対象
- 高等学校、中等教育学校後期課程又は高等専門学校(1~3学年)等に在籍する生徒
- 募集締切日
- 2008年6月25日(水)必着
- 問い合わせ先
- 財団法人日本科学技術振興財団 振興事業部内 サイエンスキャンプ事務局
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号
プログラム1 ―南の島から地球温暖化を考える―
- 会期
- 2008年7月22日(火)~7月24日(木)
- 募集人数
- 8名
- 概要紹介
- 国立環境研究所では大気中の二酸化炭素など、温室効果ガスの長期的な観測を沖縄や北海道で行っています。地球温暖化に関わるこれらの物質を地球規模的に把握するためには、汚染空気が多い都市周辺ではなく、都会から遠く離れた場所で精密な観測を行うことが重要です。このキャンプでは、人が住んでいる日本最南端の島である沖縄県波照間島に設置された大気観測所において、地球規模で起こりつつある二酸化炭素などの大気への蓄積状況を直に確認しながら、地球上での二酸化炭素などの循環やその測定法等について学習し、実際の二酸化炭素濃度の測定および、植物や海水との相互関係を調べる実験を通して、今後の地球温暖化について考えることをねらいとしています。
プログラム2 ―生物と環境―
- 会期
- 2008年7月28日(月)~7月30日(水)
- 募集人数
- 12名(2コースで12名)
- 概要紹介
- 人間は便利で豊かな生活を送るために、さまざまな化学物質を使用し、排出しています。それらは大気、水や土壌を介して輸送され、植物や土壌細菌によって吸収・分解されます。今回のキャンプでは、化学物質が植物あるいは微生物相に与える影響を調べます。具体的には、植物コースでは実験用植物に光化学オキシダントの原因物質であるオゾンを暴露し、生じる障害が品種によって大きく異なること観察します。微生物コースではさまざまな環境から採取した土壌にどのような微生物がいるのかを調べ、環境の違いによって生物相も違うことを観察します。実験にはガスクロマトグラフ装置や電気泳動装置という少しレベルの高い技術を使用しますが、研究者がわかりやすくご説明しますので安心して受講いただけます。みなさんのお越しをお待ちしています。