地球環境研究センターでは、北方林における温室効果ガスフラックスモニタリングの観
測拠点として、苫小牧フラックスリサーチサイト(北海道苫小牧国有林内・北海道苫小
牧市)と天塩CC-LaG(Carbon Cycle and Larch Growth experiment)サイト(北海道大学
北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション北管理部天塩研究林内・北海道
天塩郡幌延町問寒別)の2箇所を運営し、森林の温室効果ガスの収支や森林機能の総合
的な把握を目的として観測研究を行っています。このうち、苫小牧サイトでは樹齢45年
前後のカラマツ壮齢林を対象として観測研究を行っていますが、育林過程での森林機能
の変化を把握するため、天塩CC-LaGサイトでは2003年春に約14haの森林を皆伐し、2003
年秋にカラマツ(グイマツF1)を植樹して、長期に渡る観測を開始することになりまし
た。なお、苫小牧サイトは国立環境研究所と北海道森林管理局との共同事業として運営
されており、天塩CC-LaGサイトは国立環境研究所と北海道大学、北海道電力株式会社の
産学官共同研究として観測研究を行っています。
このたび植樹を記念し、天塩CC-LaGサイト及び問寒別公民館において、CC-LaG記念植
樹式及び植樹記念講演会を開催いたしました。2003年10月28日午後、道北の早い降雪も
懸念されましたが、晴天の中、CC-LaGサイトで来賓(幌延町千田助役、菅原教育長)に
よる挨拶の後、記念植樹を行いました。この植樹には、3共同研究機関の代表者をはじ
め、地元の幌延町立問寒別小学校の全校児童(41名)を含む約130名の列席者が記念植樹
を行いました。
その後、北海道大学天塩研究林庁舎の近くにある問寒別公民館に会場を移し、講演会
を開催しました(~10月29日昼まで)。講演会では、CC-LaGプロジェクトの概要説明や
森林の炭素循環観測研究の先進機関からのCC-LaGプロジェクトへの提言、およびCC-LaG
プロジェクトで行われる個別の研究について、それぞれ研究計画や成果の講演が行われ
ました。
今回の記念植樹式典・講演会を通じ、このプロジェクトの意義を再確認するととも
に、さらに深い理解をしていただけるようになったと考えています。また、このプロ
ジェクトは長期にわたることから、参加していただいた小学生の中から、この研究に興
味を持ち、将来私どもとタッグを組みながら一緒に研究を進めてくれる児童が現れてく
ることも楽しみの一つとなりました。
最後にはなりますが、ご協力いただいた関係諸機関、諸氏に感謝申し上げるととも
に、特にご尽力いただきました北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの皆様に
重ねて御礼を申し上げます。
  
 
 
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