2007年 年頭のご挨拶
笹野泰弘センター長

地球環境研究センター長
笹野 泰弘

皆様、あけましておめでとうございます。

皆様にとって2007年はどんな年でしたでしょうか。2008年が明けて、新たな気持ちで今年の抱負を胸に抱いておられることでしょう。

今年は言うまでもなく、京都議定書の第一約束期間の開始年にあたります。日本は、1990年比で6%の削減という厳しい目標の達成に向けて、具体的な行動で結果を示していくことが求められています。さらに、昨年のCOP13(バリ島)会合の結果を受けて、第一約束期間以降の温暖化防止に向けた国際的な取り組みの議論が今年から本格化します。また、7月には気候変化が主要な議題のひとつとなる洞爺湖G8サミットが開催されます。そこで、日本はどのように主導的役割を果たすのでしょうか。こういった動きに私たちは目が離せません。

昨年のIPCC(気候変化に関する政府間パネル)の第4次評価報告書の例を引くまでもなく、気候政策の立案の基礎として、科学研究の役割は非常に大きいものがあります。私ども地球環境研究センターでは、地球環境に関するモニタリング・データベース事業を進めると同時に、炭素循環に関する観測的研究、人工衛星を利用した炭素循環の観測プロジェクト、将来の気候変化と影響・リスク評価、ビジョン・シナリオ研究など、内外の多くの研究機関・研究者の協力を頂きながら、多様なプロジェクト研究を展開します。

また、地球温暖化観測推進事務局、グローバルカーボンプロジェクトつくば国際オフィス、温室効果ガスインベントリオフィスなどの事業を通じて、国内外の温暖化研究の結節点としての役割を、引き続き果たします。

2008年度には、環境省・宇宙航空研究開発機構との共同事業である人工衛星を利用した二酸化炭素等の観測プロジェクト(GOSATプロジェクト)において、いよいよGOSAT衛星の打ち上げを迎えます。地球環境研究センターは衛星で取得されるデータ処理運用システムの開発と運用、データプロダクトの検証、データ配布を担当しています。今年は、データ処理運用システムの整備、検証実験準備、そしてデータ利用研究の推進に向けて、最後の追い込みの年になります。

今年もまた、国民の皆様の期待に応えるべく、こうした仕事に取り組めることを喜びとして、私たちは使命の遂行に邁進します。どうぞ、ご支援下さい。