フィリピンからの視察団が地球環境研究センターを訪問しました

3月30日、国立環境研究所は、Prof. Felino P. Lansiganを団長とするフィリピンの視察団(4人)の訪問を受けました。

団長のProf. Felino P. Lansiganはフィリピン大学ロスバニョス校学部長で、フィリピン政府気候変動・災害準備に関する技術ワーキンググループ議長も務めています。今回の訪問目的は、ワーキンググループがフィリピンでの作業計画策定のための情報収集です。

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視察団は、研究所の原澤理事と石飛理事を表敬訪問しました。Prof. Felino P. LansiganはかつてIPCCの会合で原澤理事とともに報告書の作成に携わったことがあるということで久しぶりの再会となったようです。

その後、地球温暖化研究棟で、地球環境モニタリング事業を中心に、交流推進係の担当者が説明しました。宇宙から二酸化炭素とメタンの濃度を観測する温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)の後継機として2018年度に打ち上げ予定のGOSAT-2プロジェクトでは、データ検証のための新しい観測サイトとしてフィリピンルソン島北部のBurgosを選定しました。研究所内で開発した観測装置が2016年12月にフィリピンに到着し、3月から試験観測を開始したことも研究者が紹介するとともに、視察団にはフィリピンでの観測の様子を日本に居ながらリアルタイムで見ていただくこともできました。

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最後に、地球温暖化研究棟の北にある森林の中に設置した、土壌からの二酸化炭素の放出を測定するための自動開閉式チャンバーシステムを開発した研究者が説明しました。システムは、日本だけではなく、中国、マレーシア、台湾など、アジアモンスーン地域を中心に、世界各地に展開されています。視察団はシステムの構造などに関心を持たれ「自分の大学にも設置してほしい」などと研究者との意見交換が弾みました。

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