第12回アジア・オセアニア地球科学学会(Asia Oceania Geosciences Society: AOGS)報告

地球環境研究センター 交流推進係

AOGSは、アジア・オセアニア地域の地球科学に関する分野の研究者が一堂に会して議論を深め、大気科学・海洋科学・生物地球科学・固体地球科学など地球科学を総合的に推進することを目的に2003年に設立され、第1回総会が2004年に開催されました。

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写真1会場となったSuntec Singapore Convention & Exhibition Centre

第12回AOGSは、8月2日から7日、シンガポールで開催されました。地球環境研究センターからは、衛星観測研究室の横田室長が “Greenhouse Gas Observation and Carbon Flux Estimation Over Asia and Oceania Using Space-Based GOSAT Platform”、物質循環モデリング・解析研究室のBelikov共同研究員が “Use of the Global Eulerian-Lagrangian Coupled Transport Model for Flux Inversion”、大気・海洋モニタリング推進室の中岡研究員が “Ocean Surface pCO2 and Dissolved Inorganic Carbon Distributions in the Pacific Ocean from 1998 to 2009” と題する口頭発表を行いました。いずれも早朝のセッションの発表で、参加者はそれほど多くはなかったのですが、発表後、活発な質疑応答がありました。また、地球環境研究センターから三人の研究者が研究成果のポスター発表を行いました。GOSATとGOSAT-2の展示ブースでは、GOSATで得られた二酸化炭素とメタンの全球の濃度分布や、GOSATの観測装置TANSO-CAI(雲・エアロソルセンサ)がとらえたインドネシア森林火災(2013年6月)による煙がシンガポール周辺に流れ込んでいる状況の画像などをパネル等で展示し、スタッフが詳しい説明をしました。さらに、2018年はじめに打ち上げが予定されているGOSAT-2の性能などについても紹介しました。AOGSの参加者の専門分野は多岐にわたるため、衛星観測でこのような成果が得られていることがこれまで十分知られていなかったもしれませんが、コーヒーブレイクやランチタイムにはたくさんの方がスタッフの説明を熱心に聞いてくださり、少し理解が深まったのではないかと思います。用意したGOSAT、GOSAT-2の栞やロゴ入りのフリクションペンなども大変好評でした。

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写真2, 3展示ブースでは、GOSATによる観測結果を壁紙やポスターで紹介し、スタッフがGOSATおよびGOSAT-2について詳細を説明しました

今回はGOSATおよびGOSAT-2のアジア地域での展開を目的としていました。期間中多くの方がブースを訪れてくれました。GOSATが提供するプロダクトが、今後アジア地域のさまざまな研究に活かされることが期待できそうなAOGSでした。