環境を守ることの大切さを学ぶ

平成24年度エコスクール報告 in 地球環境モニタリングステーション—落石岬

北海道根室振興局と根室市が主催するエコスクール [注] が今年も6月の環境月間に合わせ、6月13日に開催されました。今年は、日中でも気温が6°C前後という冬のような寒さになりましたが、根室市立昆布盛小学校の子どもたち1〜6年生10人全員が元気に参加しました。

最初は昆布盛小学校体育館での国立環境研究所職員による自転車発電体験の実験と、根室市在住の北海道地球温暖化防止活動推進員である千葉精一さんによる地球温暖化のお話です。自転車発電の体験では、電球やテレビのスイッチを入れるととたんにペダルが重くなり、電気をつくるのは大変だということを実感してもらえたようです。

次に3〜6年生の7人が、落石岬の地球環境モニタリングステーションでの見学会に出かけました。二酸化炭素濃度を測る装置等を目の前にした子どもたちは興味津々、職員の説明を一所懸命にメモしていました。観測装置の見学の後、ハワイや落石岬での観測データのグラフから、空気中の二酸化炭素が増えていること、二酸化炭素の濃度が季節によって変化することを学びました。特に「光合成」を習っている6年生はグラフの季節変化に納得の表情。最後に二酸化炭素が海水に溶けること、溶けると海水を酸性化することを、実験を通して学びました。自分の吐く息がBTB溶液の色を青から黄色に変えることに、子どもたちは大いに興味をもったようです。

こうした体験型の学習は、ともすれば難しいと思われがちな環境を守ることの大切さを感じられるよい機会です。今後も工夫を重ねながら、継続していければと願っています。

[注] エコスクール:北海道の根室振興局(2010年3月までは根室支庁)と根室市の主催により開かれている。国立環境研究所地球環境研究センターは根室振興局の要請により地元貢献の一環として1998年より地球温暖化の説明と落石岬にある地球モニタリングステーションの見学会を行っている。おもな対象は落石および落石近傍地区の小学校5〜6年生で、落石小学校と、昆布盛小学校および海星小学校にて、交互に開催されている。

平成24年度エコスクール img01 エコスクールは昆布盛小学校体育館での開講式から始まりました

平成24年度エコスクール img02 北海道地球温暖化防止活動推進員の千葉精一さんから地球温暖化のお話を熱心に聞く子どもたち

平成24年度エコスクール img03 電気機器をつけようとすると自転車のペダルがぐっと重くなることを実感

平成24年度エコスクール img04 モニタリングステーションの観測機器に興味津々。熱心にメモをとります

平成24年度エコスクール img05 二酸化炭素濃度が夏に減少するのは…6年生が「光合成」と答えてくれました

平成24年度エコスクール img06 自分の息の中の二酸化炭素が海水に溶けることを実験しました