本研究では、世界を対象に2050年までの鉄鋼生産量を推計した。さらに、現在利用可能な省エネ技術を対象に、それらの技術が経済合理性に基づき選択された場合のCO2排出量を推計した。その結果、2050年の世界全体のCO2排出量は2000年比2.22倍の3717MtCO2となること、地域別にみると中国・インド両国における排出増加量は世界の排出増加量の75%を占めることが示された。これは、温暖化対策として、先進的技術の開発・普及が必要であること、また、特に中国、インドにおける排出削減対策が重要であることを示している。