発表論文

Assessing Mortality Risk from Heat Stress due to Global Warming
地球温暖化による熱ストレス死亡リスクの評価
高橋潔, 本田靖, 江守正多

温暖化の進行により、猛暑の頻度は今後増加が見込まれるため、熱ストレスによる死亡リスクの増加が懸念されている。
本論文では、全球を対象地域とした熱ストレス死亡数推定の手法を開発し、将来推計を行った。リスクの上限を見積もるために、推計にあたり適応(環境の変化に応じた影響軽減のための対策)が全く期待できないと仮定している。このため、リスクを大きめに見積もる傾向があることに留意が必要であるが、100年後に全球平均気温が約3℃上昇するとした場合の推計結果によれば、国別の平均でみた熱ストレスによる死亡のリスクは現状に比べて約100%~1000%増加し、悪影響の現れ方には大きな地域差があることが示された。

Takahashi, K., Honda, Y. Emori, S. (2007) Assessing Mortality Risk from Heat Stress due to Global Warming, J. Risk Res., 10, 339-354.