News Archives [20051118]
 
「炭素循環および温室効果ガス観測ワークショップ」報告

 2005年11月10日(木)〜11日(金)に東京・池袋のメトロポリタンプラザ会議室において「炭素循環および温室効果ガス観測ワークショップ」が開催されました。

 近年、地球観測の国際的な連携を目的としたGEOSS(Global Earth Observation System of Systems;複数システムから構成される全球地球観測システム)の「10年実施計画」(地球観測サミットで承認)や、総合科学技術会議による「地球観測の推進戦略」の決定など、国内・国際の地球環境観測の活動連携が強化されようとしています。国内では、府省間の連携を進め、予算案も含め協議・調整する場として、分野別の「連携拠点」を作る方向にあり、まず地球温暖化分野の連携拠点が近く立ち上がる見通しです。

 こうした活動の準備段階として、炭素循環(その他温室効果ガスを含む)という多分野のかかわるテーマについて、研究の現状を相互に理解し、今後の連携のあり方を検討するための第一歩とするべくこのワークショップは開催されました。地球環境研究センター井上総括研究管理官を組織委員長とする組織委員会(19名の研究者で構成)、総合科学技術会議地球温暖化研究イニシャティブ(気候変動分野)(座長:東京大学海洋研究所小池勲夫教授)、IGOS国内委員会炭素循環テーマグループの主催、国立環境研究所が共催しました。地球環境研究センターが事務局を務め、ワークショップの運営にあたりました。

 当日は井上組織委員長、小池勲夫座長の趣旨説明の講演に続き、海洋・大気・陸域生態系の3分野について、組織委員会から推薦されたそれぞれ10名の招待講演が行われ、最先端の研究内容の紹介と、それに基づく議論が行われました。

 シンポジウムには142名が参加しました。炭素循環の観測というテーマで幅広い分野の研究者が一堂に会して議論する科学的会合は国内ではほとんど初めてといえるものであり、分野を越えて2日間にわたり熱心な討議が行われました。1日目夜の懇親会にも多数の参加があり、予定の時間を過ぎても活発な議論が続きました。また、ワークショップには研究者・専門家だけでなく、民間企業の関連部門などからも多くの方が参加され、このテーマに広く関心が持たれていることがうかがわれました。開催のねらいであった、研究の現状の相互理解のための足がかりを築くことができたのではないかと考えられます。

 プログラムはこちらからご覧ください。
 また、地球環境研究センターでは、本ワークショップの講演要旨を編集し「CGERリポート」として刊行して、当ホームページでも公開する予定です。
 「CGERリポート」刊行にあたり、書面発表を追加募集します。
詳細はこちらのページをご覧ください。

炭素循環ワークショップ風景2

炭素循環ワークショップ風景1

炭素循環ワークショップ風景3