筑波大学の交換留学生が地球環境研究センターを訪れました

11月29日、ASEAN諸国の学生からなる筑波大学のTAG-AIMS交換留学生30人が国立環境研究所の見学に訪れました。地球環境研究センターでは、広兼克憲主幹が、センターの事業、特に地球環境モニタリングについて説明しました。

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2009年1月に打ち上げられた温室効果ガス観測技術衛星「GOSAT」は主要な温室効果ガスである二酸化炭素とメタンを観測しています。2016年には地球大気全体(全大気)の二酸化炭素平均濃度が400ppmを超えたことが、GOSATの観測から明らかになったことをお話しました。

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国立環境研究所が波照間島(沖縄県)と落石岬(北海道)に設置した地球環境モニタリングステーションで観測された二酸化炭素濃度のグラフから、二酸化炭素濃度は、1年のうち夏に低く冬に高くなるという季節変動をしながらも年々増加していることを理解していただきました。

国立環境研究所では、民間航空機を利用した観測も行っています。航空機の貨物室に研究所が開発した2種類の観測装置を搭載し、上空の二酸化炭素濃度を観測しています。民間航空機の航路図を見せながら、広い範囲を高い頻度で観測することが可能となったことを紹介しました。

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地球温暖化の影響に関するモニタリングについても紹介しました。立山(富山県)に設置した自動撮影カメラからは、1時間ごとに研究所に画像が送られてきます。カメラが捉えた山の様子から雪融けの時期などがわかり、気候変動が与える影響を観測し、評価していくことができると説明しました。

最後は、自転車発電を体験していただきました。自転車をこいで発電した電力で照明をつけるのですが、体験した学生さんは「とても大変」との感想でした。

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なかには理系ではない専攻の学生も参加していましたが、積極的に質問する人もいて、みなさん熱心に説明を聞いていました。