JAXA筑波宇宙センター特別公開に「いぶき」チームが出展しました

社会対話・協働推進オフィス 岩崎茜

国立環境研究所(以下、国環研)の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)のプロジェクトチームが、2016年10月15日(土)に開催されたJAXA(宇宙航空研究開発機構)筑波宇宙センター特別公開の「つくばでコラボ〜JAXAと地域機関の連携〜」ブースに出展し、研究紹介や自転車発電を行いました。「いぶき」は、JAXA、環境省、国環研の共同プロジェクトです。

体験ものの人気は高く、自転車発電にひかれて訪れる来場者が途切れることなく、ブースは丸一日活気にあふれました。

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写真1国環研 in JAXA。宇宙だけでなく地球環境にも興味を持っていただきました

宇宙好きが大勢集まるこの機会に、環境へも興味を広げてもらおうと、様々な仕掛けを用意しました。その一つが、宇宙と環境をつなげる「いぶき」クイズです。

「いぶき」は何をしている人工衛星なのか、どのくらい上空を飛んでいるのか、宇宙ネタで興味を引く質問から始まります。クイズを進めていくと、次第に「いぶき」が観測する温室効果ガスの話になり、最後には地球温暖化に。参加者は楽しくクイズに答えながら、おのずと地球環境について考えることになりました。

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写真2科学コミュニケーターの岩崎がタブレットを使ってクイズを実施。「いぶき」が地球を周回する様子の動画など、子供たちも食い入るように見つめます

もう一つの仕掛けは、国環研のイベントではおなじみとなった自転車発電です。ただ漕ぐのではなく、LED電球と白熱電球を点灯させ、漕ぐ重さにどのくらいの違いが出るのか体験してもらいます。これで、消費電力が少なくて済むLED電球の省エネ力が実感できます。

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写真3電球の種類が違うと自転車を漕ぐ重さも変わる。身体で省エネを学ぶ自転車発電

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写真4この日の自転車は、衛星の飾りがついた「いぶき」号に変身

また、様々な電子機器の消費電力一覧を見ていただきながら、家庭でできる省エネではどんな取り組みが有効なのか、参加者と話し合う機会にもなりました。「冷蔵庫を買い替えたら、前よりも大きいのに、電気代は安くなった!」「引っ越しを機に照明が全部LEDになったので、電気代が安い」など、リアルな省エネ体験を聞くことができたのも、様々な人が集まるイベントならではです。

このほか、旅客機を利用して上空の温室効果ガス観測を行うCONTRAILプロジェクトも紹介し、機内貨物室に搭載されている観測装置を見ていただきました。「空飛ぶ実験室」ともいえるこのプロジェクトで得られたデータと、「いぶき」の観測データを合わせて、地球温暖化の実態解明が進められています。

宇宙と地球環境。一見すると別の研究分野のようですが、人工衛星が観測した温室効果ガスのデータをもとに、現在の環境問題や未来の地球環境を研究する。宇宙と地球がつながって環境研究が進んでいることを、多くの来場者に知っていただくことができました。