紫外線とは何か?と聞かれてきちんと答えられる方は少ないと思います。さらにそれが人に与える影響について正確に理解している人は少ないでしょう。1980年代後半にオゾン層破壊の事実を目のあたりにして、太陽紫外線への関心が高まりました。しかしながら、紫外線がどのようなもので、どのように、いつ防御したらよいのかをわかりやすく解説した書籍はこれまであまりありませんでした。
本書の原型は、2006年3月に国立環境研究所の「有害紫外線モニタリング報告」としてまとめられたものですが、その後ウェブサイトで公開され、10年近くにわたり、トップレベルのアクセスを得てきました。
この度、東海大学の佐々木政子名誉教授、竹下秀准教授と国立環境研究所(編集:町田敏暢、小野雅司、中島英彰)が協力し、新たな知見とともに大幅改訂・補強して書籍化することができました。
本書は紫外線の有用性・有害性とその適切な防御について、図表などを多用し、最新データに基づき、わかりやすく解説しています。
「第6章 屋外で人が浴びる太陽紫外線とその防御法」の内容を少しご紹介します。6章では、山や海や雪面を含め、屋外環境で人が浴びる太陽紫外線の量を比較し、帽子や木陰、衣類(布)や日傘などによる防御効果について解説しています。
この他、ウェブサイトによる情報の利用法、太陽紫外線との賢いつきあい方など、科学的かつ最新の情報に基づく知識がわかりやすく解説されています。
紫外線に関する用語の意味や、日本や世界の状況、人の影響などの基本的な事項について知りたいとき、いつでもひも解いて理解を深めることができ、初学者の通読書としても十分な価値を持っています。是非書店でお手に取ってお確かめください。