発表論文

過去50年間の海洋表層昇温パターン

Upper ocean warming pattern in the past 50 years

著者
Yasunaka S, Kimoto M.
雑誌名
J. Oceanogr., 69:87-95
DOI
10.10007/s10872-012-0159-z
概要
過去50年間における海洋表層水温の昇温パターンを調べた。長期の海面水温データを用いることで、これまでよく知られた大西洋数十年規模変動やエルニーニョ・南方振動に関連する変動と、長期昇温に関連する変動を適切に分離することができた。長期昇温に関連する変動は、海洋表層300mの全球平均水温の変化のうちの78%に寄与し、亜熱帯域で大きな昇温、北半球の亜寒帯域と熱帯のすぐ南側で弱い低温化傾向を示した。これらの変化は、極域と熱帯域の海面気圧のコントラストの強化を伴う中緯度偏西風の強化や赤道貿易風弱化など、大気の風の場の変化とよく対応していた。