発表論文

ライダーで観測された最近(2008年〜2012年)の日本上空の成層圏エアロゾルについて

On recent (2008–2012) stratospheric aerosols observed by lidar over Japan

著者
Uchino O., Sakai T., Nagai T., Nakamae K., Morino I., Arai K., Okumura H., Takubo S., Kawasaki T., Mano Y., Matsunaga T., Yokota T.
雑誌名
Atmos. Chem. Phys., 12, 11975-11984
DOI
10.5194/acp-12-11975-2012
概要
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)のプロダクトの検証のためにつくばと佐賀でライダー観測を継続しているが、2011年6月下旬に高度17〜19km付近にエアロゾルの増加が見られた。これは、空気塊の流跡線解析などから、2011年6月12日のエリトリアのナブロ火山爆発に因るものであることがわかった。また、つくばにおけるライダー観測から、2008年から2012年までの成層圏エアロゾル量は、2008年8月のカサトチ火山や2009年6月のサリチェフ火山、そして今回のナブロ火山噴火などにより、1997年から2001年のバックグランドレベルの約2倍であることが判明した。これらの成層圏エアロゾルの増加に伴うGOSATプロダクトや気候への影響について議論した。