発表論文

技術ノート:二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の大気カラム平均乾燥空気モル分率の緯度及び時間変動

Technical Note: Latitude-time variations of atmospheric column-average dry air mole fractions of CO2, CH4 and N2O

著者
Saito R., Patra P. K., Deutscher N., Wunch D., Ishijima K. Sherlock V., Blumenstock T., Dohe S., Griffith D., Hase F., Heikkinen P., Kyrö E., Macatangay R., Mendonca J., Messerschmidt J., Morino I., Notholt J., Rettinger M., Strong K., Sussmann R., Warneke T.
雑誌名
Atmos. Chem. Phys., 12, 7767-7777
DOI
10.5194/acp-12-7767-2012
概要
大気大循環化学輸送モデルシミュレーション結果と、全量炭素カラム観測ネットワーク(TCCON)による二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の全量カラム測定との比較を行った。ほとんどのTCCON地点でモデルは観測によるトレンド、季節周期、両半球間の勾配をとらえることができた。シミュレーションは化石燃料排出量データを用いて、インバースモデルは非化石燃料フラックスを推定しているので、二酸化炭素が観測とモデルの間の一致が最も良い。モデル結果は、二酸化炭素や一酸化二窒素のカラム量の季節変動の多くをとらえている。このことは、モデルが対流圏と成層圏における輸送過程を良く再現できていることを示唆する。メタンの観測とシミュレーションの相関が、特に熱帯および熱帯周辺地点において乏しいのは、地表面メタンの発生と水酸基ラジカルによる損失の不確実性によると考えられる。