発表論文

西シベリア低地帯におけるタイガからのメタン放出量の経年変化:2007年夏の降水量とメタンフラックス増加に注目して

Annual variation of CH4 emissions from the middle taiga in West Siberian Lowland (2005–2009): a case of high CH4 flux and precipitation rate in the summer of 2007

著者
Sasakawa M., Ito A., Machida T., Tsuda N., Niwa Y., Davydov D., Fofonov A., Arshinov M.
雑誌名
Tellus B, 64, 17514
DOI
10.3402/tellusb.v64i0.17514
概要
西シベリア低地のタイガ(ロシア語でシベリア地方の針葉樹林の意)と呼ばれる地域に位置するタワー観測サイトで測定されたCO2とCH4は、共に夏季の夜間に濃度が上昇した。夜間は接地層の大気が安定するため、タイガ植生の呼吸によるCO2と湿地から放出されるCH4が地表付近に蓄積しやすいためである。タワーサイト周辺地帯から放出されるCH4放出量を、大気の安定度を考慮して計算すると7月に最大値をとることがわかった。特に降水量の大きかった2007年の6〜7月に例年より顕著な放出のあったことが示唆された。