発表論文

宇宙からの大気二酸化炭素観測プロジェクト(ACOS)全量カラム平均乾燥空気モル分率(XCO2)の導出アルゴリズム その2:全球XCO2データ特性

The ACOS CO2 retrieval algorithm — Part II: Global XCO2 data characterization

著者
Crisp D., Fisher B. M., O’Dell C., Frankenberg C., Basilio R., Bösch H., Brown L. R., Castano R., Connor B., Deutscher N. M., Eldering A., Griffith D., Gunson M., Kuze A., Mandrake L., McDuffie J., Messerschmidt J., Miller C. E., Morino I., Natraj V., Notholt J., O’Brien D., Oyafuso F., Polonsky I., Robinson J., Salawitch R., Sherlock V., Smyth M., Suto H., Taylor T., Thompson D. R., Wennberg P. O., Wunch D., Yung Y. L.
雑誌名
Atmos. Meas. Tech., 5, 687-707
DOI
10.5194/amtd-5-687-2012
概要
NASA OCO[1]ミッションのために開発された導出法を用いて、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)によって観測された陸域のスペクトルから全量カラム平均乾燥空気モル分率(XCO2)の導出を行った。最新版の導出アルゴリズムB2.9では、全球でバイアスが無視でき、バラツキが前バージョンに対して30%減少した。TCCON[2]による比較では、地域に依存したバイアスが残るものの、Wunchらにより記述された経験的補正[3]を行うことにより、これらを減少させることができた。排出・吸収(フラックス)量のインバース解析において、使用するデータ誤差(バイアス)に起因するフラックス量の誤差を最小にするため、使用するデータに対して経験的補正を行うことを推奨する。GOSATデータ解析の経験により、OCO-2[4]の打ち上げが成功し軌道投入された際には、高精度データプロダクトの早期の配布が見込まれる。
1.
OCO:Orbiting Carbon Observatory。大気中二酸化炭素を宇宙から測定を行う米国NASAの衛星計画。
2.
TCCON:Total Carbon Column Observing Network。全量炭素カラム観測ネットワーク。
3.
http://www.cger.nies.go.jp/ja/about/results/2011/11033.html を参照。
4.
OCO-2:OCOの後継機。