発表論文

陸域生物圏の水利用効率:グローバルな炭素と水循環の相互作用を中心としたモデル解析

Water-use efficiency of the terrestrial biosphere: a model analysis focusing on interactions between the global carbon and water cycles

著者
Ito A., Inatomi M.
雑誌名
J. Hydrometeorol., 13(2), 681-694
DOI
10.1175/JHM-D-10-05034.1
概要
陸域生態系は、光合成で炭素を固定すると同時に蒸発散により水を大気に放出している。その比率は水利用効率と呼ばれ、生態系機能の重要な指標となっている。本研究では陸域生態系モデルを用いた水・炭素交換のグローバルなシミュレーションを行い、水利用効率に関する解析を行った。植生タイプ間の水利用効率の差、過去の長期的な大気CO2増加に伴う水利用効率の上昇、そして土地利用変化に伴う水利用効率の低下などが示された。これらの成果は、今後の大気CO2増加と気候変動が陸域生態系機能に与える影響を予測して適応策を講じる上で重要な示唆をもたらす。