気温スケーリングパターンのRCPs排出シナリオ依存性
Temperature scaling pattern dependence on representative concentration pathway emission scenarios
- 著者
- Ishizaki Y., Shiogama H., Emori S., Yokohata T., Nozawa T., Ogura T., Abe M., Yoshimori M., Takahashi K.
- 雑誌名
- Climatic Change Letter, 112, 535-546
- DOI
- 10.1007/s10584-012-0430-8
- 概要
- IPCC第5次評価報告書(AR5)に向けた一部の影響評価研究では、異なる排出シナリオにおける影響評価の際の補間の方法としてパターンスケーリングと呼ばれる手法が用いられている。この手法の基本的な仮定は、全球平均気温で規格化された空間パターン(スケーリングパターン)がシナリオ間で共通であるということである。本研究では、一つの気候モデル(GCM)による出力を用いてこの仮定を検証した。その結果、北半球中緯度と高緯度の地表気温スケーリングパターンにシナリオ間で統計的優位な違いがあることがわかった。この違いは、高緯度では海氷と大西洋熱塩循環の温暖化に対する非線形的応答が原因であり、中緯度では硫酸塩エアロゾルの排出量の違いが原因であることがわかった。