発表論文

世界の気温上昇を2度未満とするための温室効果ガスの排出経路

Emission pathways consistent with a 2°C global temperature limit

著者
Rogel J., Hare W., Lowe J., van Vuuren D. P., Riahi K., Matthews B., Hanaoka T., Jiang K., Meinshausen M.
雑誌名
Nature Climate Change, 1. 413-418
DOI
10.1038/NCLIMATE1258
概要
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)におけるカンクン合意(2010年)では、産業化以前の水準から世界の平均気温上昇を2度未満にするべきとの認識が共有された。一方、政策決定者にとっては、2度未満の上昇に抑えるための温室効果ガスの排出経路の情報が必要とされる。そこで、技術的および経済的な側面を考慮した排出削減量と平均気温上昇との関連を理解するために、統合評価モデルを用いた既存のさまざまな将来シナリオを集約し、気候モデルの結果と比較を行った。その結果、2010〜2020年の間に排出量のピークを迎える必要があり、もし世界の温暖化緩和策が十分に早期に実施されなければ、世界の気温上昇を2度未満に抑えることが難しいことが明らかになった。