発表論文

発電所データベースと夜間光データを用いた全球超高解像度の化石燃料燃焼起源CO2排出量データセットの作成

A very high-resolution (1 km × 1 km) global fossil fuel CO2 emission inventory derived using a point source database and satellite observations of nighttime lights

著者
Oda T., Maksyutov S.
雑誌名
Atmos. Chem. Phys., 11, 543-556
DOI
10.5194/acp-11-543-2011
概要
発電所データベースと夜間光の衛星観測データを用いて、化石燃料燃焼起源CO2排出の全球データセット(インベントリ)を高空間解像度(1km × 1kmメッシュ)で作成した。本研究では、国ごとの総排出量のうち、発電所データベースに収録されている発電所からの排出量については位置情報(緯度・経度)をもとにメッシュごとに配分し、その他の排出量については,空間分布を夜間光データを用いて推定し、配分した。米国を対象として作成された詳細な高解像度インベントリとの比較によれば、本インベントリは、既存の他の全球インベントリよりも良い空間的一致を示した。本データセットは、今後の高解像度のインバース計算[1]などの解析への利用が期待される。
1.
インバース計算:多地点の大気濃度観測値と大気輸送モデル[2]で再現計算した濃度値を比較して、その差が最小となるような吸収・排出量を推定する計算
2.
大気輸送モデル:気象データを用いて、大気中の物質(ここではCO2)の輸送・拡散を表現する計算プログラム