発表論文

大気中酸素濃度の精密測定に基づくグローバル炭素収支の推定

Tohjima Y.

陸域生物圏での光合成や呼吸、さらに、化石燃料やバイオマスの燃焼の過程における酸素と二酸化炭素の濃度変化には緊密な関連があるが、大気-海洋間のガス交換の際にはこの緊密な関係が失われる。この事実に着目すると、長期的な大気中酸素濃度の変化量から、化石燃料起源二酸化炭素の海洋および陸域生物圏へのそれぞれの吸収量を推定することができる。本総説では、計算に必要な各種パラメータの再吟味を行い、これまでに報告されている大気中酸素濃度の観測結果を用いてグローバルな炭素収支の再計算を行った。

Tohjima Y. (2010) 大気中酸素濃度の精密測定に基づくグローバル炭素収支の推定. 地球化学, 44, 77-93