発表論文

鉛-210・セシウム-137法による年代測定ならびに花粉分析に基づく朱鞠内湖集水域における過去50年間の植生復元

佐々木尚子, 吉岡崇仁, 小川安紀子, 勝山正則, 日野修次, 高原光

近・現代の植生変化をとらえることを目指し、北海道北部の人造湖である朱鞠内湖(しゅまりないこ)から採取した堆積物について、鉛とセシウムの放射性同位体を測定する方法によって年代測定を行うと共に、花粉分析を行った。分析の結果、堆積物の堆積速度は琵琶湖や木崎湖より1.5倍速く、過去40年の花粉の年間堆積量は1.7×104〜2.9×104個cm-2year-1であることがわかった。また、朱鞠内湖集水域の過去50年間の植生は、現在の針広混交林の構成に変化がなかったことがわかった。

佐々木尚子, 吉岡崇仁, 小川安紀子, 勝山正則, 日野修次, 高原光 (2010) 鉛-210・セシウム-137法による年代測定ならびに花粉分析に基づく朱鞠内湖集水域における過去50年間の植生復元. 日本花粉学会会誌, 56(1), 31-43