東アジアの放出量変化に伴って増加する波照間島における大気CO2のシノプティックスケールの変動
波照間島では、11月から4月にかけてアジアモンスーンの影響で頻繁に大陸から汚染空気が輸送されるため、大気中の二酸化炭素(CO2)およびメタン(CH4)濃度は大きなシノプティックスケールの変動*を示す。そこで、1996年から2007年にかけて冬季6カ月間のCO2およびCH4の変動成分を取り出し、変動量の年々変化を調べた。その結果、CH4に対するCO2の変動量が、1996~2002年はゆっくりと、2002年以降は急激に増加することがわかった。この増加傾向は中国での化石燃料消費量の増加傾向と一致した。
Tohjima Y., Mukai H., Hashimoto S., Patra P. K. (2010) Increasing synoptic scale variability in atmospheric CO2 at Hateruma Island associated with increasing East-Asian emissions. Atmos. Chem. Phys., 10, 453-462