発表論文

地球温暖化に伴う海水温上昇が日本近海の造礁サンゴの分布と健全度に及ぼす影響評価

屋良由美子, 藤井賢彦, 山中康裕, 岡田直資, 山野博哉, 大島和裕

高解像度気候予測シミュレーションにより、日本近海を対象に温暖化に伴う水温上昇が日本近海の潜在的なサンゴの分布および健全度に及ぼす影響を評価した。主なサンゴ礁の形成北限と高緯度サンゴの分布北限が、21世紀末にはそれぞれ北部九州沿岸と青森・岩手沿岸に至る可能性がある。また、南西諸島ではサンゴの白化や大量死をもたらす深刻な白化を誘発するような高水温が出現する頻度が増え、白化が21世紀半ば以降にはより通常の現象として認識される可能性がある。

屋良由美子, 藤井賢彦, 山中康裕, 岡田直資, 山野博哉, 大島和裕 (2009) 地球温暖化に伴う海水温上昇が日本近海の造礁サンゴの分布と健全度に及ぼす影響評価. 日本サンゴ礁学会誌, 11, 131-140